写真1●「VSPEX」の外観
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写真2●リファレンス・アーキテクチャの例
写真2●リファレンス・アーキテクチャの例
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写真3●EMCジャパンの中山泰宏執行役員パートナー・コーポレート営業本部長
写真3●EMCジャパンの中山泰宏執行役員パートナー・コーポレート営業本部長
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 EMCジャパンは2012年7月5日、ハードウエアとソフトウエア製品をセットにしたシステムインフラ製品「VSPEX(ヴィスペック)」(写真1)を販売開始すると発表した。EMC製のストレージやバックアップ・ソフトと、他社製のサーバー機、ネットワーク製品、仮想化ソフトなどを組み合わせて提供するものである。

 組み合わせのパターンは「リファレンス・アーキテクチャ」と呼ぶ。大きく2グループ14種類ある。主に中堅/中小企業での利用を想定し、EMC側で製品間の互換性やサイジングなどを検証している。

 グループの1つは、プライベート・クラウドを構築するためのもの。「VMware vSphere 5.0」や「Windows Hyper-V」で仮想マシンを動かすためのリファレンス・アーキテクチャを、仮想マシンの台数に応じて6種類用意した。VMware vSphereについては50台、100台、125台、250台の4種類。Windows Hyper-Vについては50台、100台の2種類である。

 もう1つのグループは、仮想デスクトップ環境(VDI)の構築用。リファレンス・アーキテクチャは仮想デスクトップのユーザ数に応じた8種類(写真2)。「VMware View」、「Citrix XenDesktop」それぞれを250人、500人、1000人、2000人のユーザー数で使う際のアーキテクチャを用意している。これらの内容は、市場のニーズに応じて順次追加する予定という。

 EMCはリファレンス・アーキテクチャを用意するに当たって、他のメーカーと協業している。協業企業は、インテル、ヴイエムウェア、シスコ、シトリックス・システムズ・ジャパン、ブロケード コミュニケーションズ システムズ、マイクロソフト。顧客企業がVSPEXを導入する際には、リファレンス・アーキテクチャに従いながら、これら協業企業が提供する製品を選択して使うことになる。EMCジャパンの中山泰宏執行役員パートナー・コーポレート営業本部長はリファレンス・アーキテクチャのメリットについて「導入コストや手間を大きく節約できる」と説明する(写真3)。

 VSPEXはEMCの販売パートナー企業から販売する。EMCは販売パートナー向けに「VSPEXラボ」を用意した。VSPEXを検証・デモするための、セルフサービスのクラウド環境である。販売パートナーはこの環境を使ってVSPEXを顧客企業向けに動作検証したり、デモを見せたりすることができるという。