米Appleがタブレット端末「iPad」の小型モデルを計画していると、複数の米メディアが現地時間2012年7月4日に一斉に報じた(関連記事 )。

 米Wall Street Journalは、アジアの部品サプライヤーが9月の量産体制に向けて準備中だと伝えている。ディスプレイは現行iPadの9.7インチより小さい8インチ以下とみられる。Wall Street Journalは今年2月に、Appleが小型ディスプレイの端末をテスト中と報じていたが、その時点では製造に進むかどうか決定していなかった。

 また、米Bloombergは関係者2人の話として、小型モデルはディスプレイサイズが7~8インチで10月に発表すると報じている。高精細ディスプレイ「Retina」は採用しないという。米Sterne Agee & Leachのアナリストは、Nexus 7やKindle Fireと同等の価格になると予測している。

 小型iPadによりAppleはタブレット市場における支配的地位の維持を図ると見られている。米IHS iSuppliの調査によれば、2012年の世界タブレット販売台数は前年比85%増の1億2660万台に達し、iPadは61%のシェアを占める(関連記事:2012年の世界タブレット市場、iPadのシェアは61%に、IHS iSuppli予測)。

 タブレット市場の競争が激化する中、米Googleは6月27日に自社ブランドのタブレット端末「Nexus 7」を発表した。7インチディスプレイを搭載し、希望小売価格は199ドルから。好調な米Amazon.comの「Kindle Fire」と同等のサイズと価格で対抗する(関連記事:Google、自社ブランドのタブレット端末「Nexus 7」を発表)。7インチタブレットは韓国Samsung Electronicsも「Galaxy Tab 2(7.0)」などを出している。

 また米Microsoftも独自のタブレット端末「Surface」を6月18日に発表した(関連記事:Microsoft、独自のタブレット端末「Surface」を発表)。こちらは10.6インチディスプレイを備え、「競合する他社製タブレットと同等の価格」としている。