総務省は2012年7月4日、「ICTを活用した街づくりとグローバル展開に関する懇談会」の報告書を公表した。2015年頃までをメドに「ICTスマートタウン」の先行モデルを実現する計画である。2012年秋以降、全国数カ所で先行的な実証プロジェクトを実施し、基本的なシステムアーキテクチャを策定していく方針を示した。

 ICTスマートタウンでは、ワイヤレスネットワークやクラウドなどの災害に強い技術と、センサーネットワークや行政が保有するデータ、住民の共通IDなどから収集されるビッグデータを組み合わせたICTプラットフォームの構築を目指す。これにより、平時には行政サービスや医療、エネルギー、交通、教育などの社会インフラサービスの効率的な提供を実現し、災害時には防災、減災機能として、住民のニーズに対応した情報を収集、伝達する仕組みとして活用する。

 これらの基盤整備を推進するために、総務省は夏頃にも「ICTスマートタウン」推進会議を創設する。2012年度は、約5億円規模で数カ所の実証プロジェクトを実施する。2013年度から10カ所程度の地域でシステムアーキテクチャの検討を進める。ASEANなどアジア諸国との連携も併行して行い、多国間で情報流通を実現する体制や制度整備も視野に入れている。2015年頃までにICTスマートタウンの先行モデルを実現、2020年頃には、街と街の連携なども可能にするなど、普及・高度化を図る計画である。