写真●「IT Japan 2012」で講演するシグマクシスの大原聡パートナー(写真:中根祥文)
写真●「IT Japan 2012」で講演するシグマクシスの大原聡パートナー(写真:中根祥文)
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 「昨今の環境はイノベーションのチャンスだ」。2012年7月4日から都内で開催している「IT Japan 2012」で、企業の戦略立案支援などを手掛けるシグマクシスの大原聡パートナーはこう語った(写真)。

 大原パートナーはイノベーションを起こすためには、複数の人とリアルタイムに知恵を交換する「ネットワーク型」のコミュニケーションが重要と指摘する。そのために「体系の設計」「環境の整備」「プロセスの管理」がポイントになると説いた。

 まず体系の設計とは、議論の進め方や原則などを決めて、メンバーの多様性が増しても議論が進んでいく仕組みづくりを指す。そこでは、メンバーの役割や権限をあらかじめ決めてしまうとアイデアが出にくくなるため、「キーになる人に情報のハブになってもらい、議論を活性化してもらうといい」とした。

 次に環境の整備とは、主に議論のテーマ設定に当たる。テーマを設けるうえでは「一定の抽象度を与えながら、アイデアを膨らませる」ことが鍵になるという。

 最後のプロセスの管理では「今どういうモードにあるかを知ることが重要」と述べた。メンバーのモードはそれぞれ異なるため、プロセスの管理に注意しないと「会議がどっちに向かっているのかが分からなくなる」。そうならないために、ネットワークの運用者が第三者としてファシリテーションするという解決策を挙げた。

 シグマクシスでは絵を使ってチームのコミュニケーションを高め、イノベーションの創造につなげるサービスを展開しているという。