静岡県立大学 国際関係学部とradikoは2012年7月4日、音声・点字モバイル端末でラジオ聴取ができる視覚障害者向けの「radiko.jp」アプリを共同で開発したと発表した。

　新しく開発したradiko.jpアプリは、静岡県立大学 国際関係学部教授の石川准氏と韓国のHIMS社が共同開発し、エクストラが発売している視覚障害者向けの音声・点字モバイル端末「ブレイルセンス」シリーズ専用アプリである。

　これまでのブレイルセンスシリーズでもFMラジオ受信機能を備えていたが、電波受信状況によっては良質な音が提供できないという問題があった。radiko.jpは地上波のラジオ放送をインターネットストリーミング配信するIPサイマルラジオサービスで、現在、民放ラジオ65局と放送大学を聴取できる。ブレイルセンスの利用者から、電波状況に左右されずクリアな音質で番組を楽しめるradiko.jpを聴きたいという強い要望があり、今回の共同開発に至ったという。

　このアプリは2012年1月に研究が始まり、約5カ月で完成した。点字キーボードで起動や選局などの操作が可能で、視覚障害を持つユーザーが手軽にラジオを聴取できるように設計されているという。通常のradiko.jpとは異なり、音声読み上げもしくは点字で各種テキスト情報を表現する。このアプリは、現在出荷している「ブレイルセンス U2」と「ブレイルセンスオンハンド」にプリインストールされている。

　ブレイルセンスシリーズは、点字キーボードによる文字入力や各種操作、点字ディスプレイ表示と音声読み上げ機能を提供し、文書作成や電子メール、Webブラウザー、DAISY図書や音楽の再生、電子辞書、GPSナビ、FMラジオなどの機能を持つ。