写真1●SANsymphony-V R9の画面
写真1●SANsymphony-V R9の画面
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写真2●データコア・ソフトウェアでセールスアカウントディレクターを務める片山崇氏
写真2●データコア・ソフトウェアでセールスアカウントディレクターを務める片山崇氏
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 データコア・ソフトウェアは2012年7月4日、ストレージ仮想化ソフトの新版「SANsymphony-V R9」(写真1)を発表、同日販売を開始した。新版では、最大4台のサーバー機をN+1構成で利用できるようにするなど、システムを柔軟に構成できるようにした。価格(税別)は、容量5Tバイトまでの最小構成時に42万2000円。年間サポート料(初年度必須)は、10万8000円。開発会社は、米DataCore Software。

 SANsymphony-Vは、汎用のPCサーバーをSANストレージにするソフトである。同ソフトをインストールしたWindows Server機が、iSCSIまたはFibre Channel接続の外部ストレージになる。内蔵ディスクや外部SAN接続ディスクなど、PCサーバーからローデバイスとして利用できる任意のディスク群をまとめてリソースプール化し、このうえで任意の仮想ボリューム(vDisk)を運用する。シンプロビジョニング機能を備え、データの増加に応じて動的に物理リソースをボリュームに割り当てる。

 シンプロビジョニングのほかにも、一般的にストレージに求められる各種の機能群を提供する。スナップショット、複数ノードを用いたHA(データ同期ミラーリングとフェールオーバー)、非同期の遠隔レプリケーション、動的なILM(階層型ストレージ管理)、といった機能を利用できる。この上で、今回の新版では、システムを以前よりも柔軟に構成できるようにしたほか、いくつかの新機能を追加した。

サーバーノードとリソースプールの構成を柔軟に

 新版では、複数ノードをグループ化(クラスタリング化)する機能を強化し、最大で4台までのSANsymphony-Vサーバーを束ねられるようにした(これまでは最大2台だった)。4台のうち、任意のサーバー上に、仮想ボリューム(vDisk)をミラーリングして同期できる。つまり、これまではアクティブアクティブの2ノード構成だったが、N+1構成になった。

 仮想ボリューム(vDisk)単位の遠隔レプリケーション機能も強化し、これまでの2ノード(2拠点)から多拠点に拡大した。1拠点から複数拠点へのレプリケーションと、複数拠点から1拠点へのレプリケーションが可能になった。

 リソースプールも柔軟に構成できるようにした。例えば、複数のSANsymphony-Vサーバーが単一のストレージリソースを共用できるようにした。複数ノードによって仮想ボリューム(vDisk)の可用性を高めつつ、実際のストレージは多重化させない、という構成が採れる。

 ストレージプールに対して、ストレージを拡張するだけでなく、外すことも可能にした。これにより、SANsymphony-Vの容量ライセンスやストレージを、ほかの用途に再利用することができるようになる。さらに、リソースプール内で、容量消費やI/O性能を自動的に平準化するようにした。

 SANsymphony-Vの意義と背景について、データコア・ソフトウェアでセールスアカウントディレクターを務める片山崇氏(写真2)は、「サーバー仮想化環境下では、ストレージへの要求が短期間で変化する」と説明する。PCサーバーの進化や、仮想サーバー上で動作するアプリケーションの変化によって、相対的にストレージへの要求が高まってきている、と説明する。