世界におけるタブレット端末の出荷台数は4年後の2016年にはノートパソコンを上回り、2017年には4億台を突破する――。こうした推計を米NPD GroupのDisplaySearchが現地時間2012年7月3日までにまとめた。同社が定義する、タブレット端末、ノートパソコン、ネットブックを合わせた「モバイルPC」の出荷台数は2012年の3億4700万台から2017年には8億900万台に増大する見込み。このうちノートパソコンは2012年の2億800万台から2017年には3億9300万台に拡大する。これに対しタブレット端末は同期間に1億2100万台から4億1600万台へと、年平均28%の伸び率で増えるとDisplaySearchは見ている。

 同社によると、タブレット端末の伸びを支えるのは、北米、日本、西欧などの成熟市場。2012年におけるこれら地域の、世界タブレット出荷台数に占める割合は66%だが、5年後の2017年も60%の水準を維持すると予測している。

 DisplaySearchのシニアアナリスト、Richard Shim氏は「モバイルPCに対する消費者の好みはノートパソコンからタブレットに移行しつつあり、とりわけ成熟市場でその傾向が強い。今後タブレットとノートパソコンの境界はぼやけていくが、そうした状況でタブレットは成熟市場で最も早く普及する」と述べている。新規参入企業は競争力のある利用モデルを提案する必要があるが、それらに必要となる新たなサービスやインフラは成熟市場で構築しやすいという。

 DisplaySearchは、今後タブレットは、高速復帰や長時間バッテリー駆動、持ち運びやすさといった従来の利点に加え、プロセッサのマルチコア化、OSの安定性向上、ディスプレイの高解像度化、アプリケーションの拡充といった側面で進化し、ノートパソコンの強力な競合製品になっていくと予想している。

 一方ノートパソコンも、薄型化、高解像度化、タッチスクリーン機能の向上などが進む。2012年時点で60%あるモバイルPC市場におけるノートパソコンの出荷台数シェアは2017年に49%に低下するものの、5年間全体を通して見ればノートパソコンは依然として同市場で最大規模を占める製品カテゴリーだとDisplaySearchは分析している。

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