米Amazon.comが、3D地図アプリケーションを手がける米国の新興企業UpNextを買収したと複数の海外メディア(米GigaOM英Reutersなど)が報じた。Amazonは、タブレット端末「Kindle Fire」や将来のスマートフォン展開に向けて地図サービスの技術を獲得する狙いと伝えている。

 技術系ニュースサイトのGigaOMによると、Amazonは現地時間2012年7月2日にUpNextと契約を締結した。UpNextは2007年設立の米ニューヨーク市に本社を置く企業。「UpNext HD Maps」と呼ぶアプリを手がけており、iOS版Android版Kindle Fire版を配信している。アプリケーションは全米50都市を網羅しており、カテゴリー別検索やキーワード検索、道路・鉄道の経路探索、飲食店情報の検索機能などがある。

 最近は米Appleが次期モバイルOS「iOS 6」で独自の地図アプリケーションを提供することを明らかにしたり、米Googleが地図機能の強化を図ったりするなど、大手テクノロジー企業の間で地図サービスをめぐる競争が激化している(関連記事:Apple、iOS 6向け独自地図アプリでTomTomとライセンス契約Googleが地図関連製品を強化、モバイル向け3D表示やオフライン機能など)。

 AmazonのKindle Fireは、GPS機能を備えておらず、地図サービスも標準搭載していないため、同社はこの分野を拡充し、Kindle Fireの次期モデルの機能向上や、2012年第4四半期に市場投入されるとの観測が流れているAmazonブランドのスマートフォン展開に向けたものとなる可能性があるとGigaOMは伝えている。