写真1●東京モノレール羽田空港国際線ビル駅に設置された新型デジタルサイネージ
写真1●東京モノレール羽田空港国際線ビル駅に設置された新型デジタルサイネージ
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写真2●「ウィルスマート」で東京駅周辺の英語地図を表示
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写真3●「ウィルスマート」で上野動物園の観光案内を表示
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 東京モノレールとゼンリンデータコムは2012年7月2日から、羽田空港国際線ビル駅(東京都大田区)の東京都心方面行きホームの改札口脇に、新型のタッチ式デジタルサイネージを設置し稼働させた(写真1)。新型サイネージで幅広い情報提供を行い、訪日外国人の利便性向上を狙う。

 同駅は、国際線で到着してモノレールで東京都心部へと向かう訪日外国人の利用が多い。東京モノレールの中村弘之代表取締役社長は、「訪日外国人のお客様が求める情報は幅広い。モノレールアテンダントを配置して旅のお手伝いをするなどの取り組みを進めてきたが、デジタルサイネージの活用でさらに多様な情報を提供できるようにする。(訪日外国人を対象とした)広告ビジネスの拡大も狙いたい」と話した。

 新型サイネージの名称は「Will・Smart(ウィルスマート)」。右側は普通の看板(表示内容は常時変わらない)で、左側が韓国サムスン電子製のタッチ式55型液晶ディスプレイになっている。

 左側の画面は「大型のスマートフォン」をイメージしており、「周辺地図」「路線案内」「天気予報」「観光情報」「フォトメール」という5つの基本メニューがある。簡単なタッチ操作で東京周辺の地図や飲食店情報、乗り換え案内、観光スポット情報などを閲覧できる(写真2写真3)。日本語に加えて英語・韓国語・中国語に対応。利用者が操作していない時には、広告動画・静止画が自動的に流れる。

韓国FINGER TOUCH社の技術を採用

 新型サイネージの開発はゼンリンデータコムが担当した。基盤システムに韓国FINGER TOUCH INTERNATIONAL社の技術を採用。ここにゼンリンデータコムが持つ地図や観光情報などのコンテンツを載せている。新型サイネージは無線LANを経由して韓国にあるFINGER社の管理センターと常時接続しており、管理センターから稼働状況の監視やコンテンツ配信などを行う。

 新型サイネージの価格は非公開だが、類似の製品・システムに比べてかなり安価で、増設が容易だという。ゼンリンデータコムの石井康弘・企画本部サービス企画部マネージャーはFINGER TOUCH社の技術を採用した理由について、「韓国内で既に約1000台のデジタルサイネージを設置・運用して広告収入を得ている実績を重視した」と説明した。

 羽田空港国際線ビル駅への設置期間は6カ月間を予定している。ゼンリンデータコムは、この間に利用状況の検証やビジネスモデルの検討などを進める。ここで得た知見を基に、日本国内の他の空港や観光地など訪日外国人の来訪が多い場所への設置拡大を目指す考えだ。