仮想サーバー環境を月額制で提供しているIaaSベンダーのハイパーボックスは2012年7月2日、商用のPHP実行環境ソフト「Zend Server日本語版」を月額制で提供開始した。同社のIaaS上で動作させるミドルウエア製品の一つとして、買い取り価格の10分の1となる価格を毎月支払って利用できる。コネクト(旧ゼンド・ジャパン)によれば、同ソフトを月額制で提供するサービスは、日本国内では初めて。

 Zend Server日本語版を、月額制で提供する。稼働OSは、CentOS 5.xまたはWindows Server 2008。1カ月当たりの料金(税込み、以下同)は、買い取り型のライセンスの10分の1に設定した。具体的には、下位エディション「Zend Server Standard Edition」の料金は、月額1万4700円である(通常ライセンスは14万7000円)。上位エディション「Zend Server Enterprise Edition」の料金は、月額5万7750円である(通常ライセンスは57万7500円)。

 今回月額制で提供するZend Server日本語版は、ハイパーボックスのIaaSサービスの上で動作する。このため、ハイパーボックスのIaaSサービスを利用することが前提となる。IaaSサービスは二つのエディションがあり、それぞれの料金は以下の通り。下位エディション「HyperCloud VPS」は、月額1575円から。SLAでサーバー稼働率100%を保証した上位エディション「HyperCloud Public」は、月額5775円から。

Webアプリケーションを簡易に実装/実行

 なお、今回月額制で提供するZend Server日本語版は、Webアプリケーション開発用の簡易スクリプト言語「PHP」の実行環境ソフトである(PHPのバージョンはPHP 5.2/5.3)。データベースアクセスを伴ったWeb連携型のアプリケーションを、HTML(画面)にスクリプトを埋め込む形で容易に開発できる。米Zend Technologiesが開発した商用製品であり、日本国内ではコネクトが扱っている。

 ほかのPHP実行環境と比べたZend Serverの特徴は、商用製品としてサポートを受けられることや、機能/性能を高めたこと。例えば、本来はインタープリタで動作するPHPスクリプトをコンパイル/キャッシュすることで実行速度を高めた。また、画面遷移用のMVCフレームワークを標準で装備するなど、システム構築に必要なソフトウエアの設定を容易としている。

 Zend Server日本語版には、二つのエディションがある。下位のStandard Editionは、アプリケーション開発に必要な基本的なソフトウエアで構成する。コンパイル/キャッシュ機能、MVCフレームワーク、商用データベース接続機能、などを提供する。上位のEnterprise Editionは、アプリケーション実行時の管理機能や監視機能などを高めている。実行コードの監視/分析、ジョブ制御、ページ単位のキャッシュ、などの機能を提供する。