専用アプリは「GALAPAGOS STORE」のものを改良。複数書店で購入した電子書籍をまとめてリスト表示できる。漫画の表示にも対応する
専用アプリは「GALAPAGOS STORE」のものを改良。複数書店で購入した電子書籍をまとめてリスト表示できる。漫画の表示にも対応する
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book-in-the-boxの概念図
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 シャープは2012年6月29日、電子書籍の配信ソリューション「book-in-the-box」を発表した。電子書籍の販売サイトを運営している事業者や出版社が手間とコストを抑えながらDRM(digital rights management)付きの電子書籍を配信できる仕組みを提供する。ユーザーはAndroidの専用アプリを使い、複数の販売サイトで購入した電子書籍を一元管理・閲覧できる。7月4日から開始する。

 現在は複数の電子書籍サービスが乱立し、スマートフォンやタブレット端末向けに独自のビューワーを提供している。ユーザーがこれら複数のサービスを利用するには、複数のアプリをインストールし、使い分ける必要があった。

 book-in-the-boxの専用アプリを使えば、対応する電子書籍サービスのコンテンツをまとめて保存し、閲覧できる。ユーザーが電子書籍サービスのWebサイト上で購入すると、アプリが電子書籍のデータを自動的にダウンロードする仕組みとなっている。

 サービス開始当初はシャープの「GALAPAGOS STORE」のほか、7月初旬には白泉社の配信サービス、7月下旬にはもう1社の対応を進める。8月~9月には4つ、12月までには10の配信サービスで利用可能とする予定。

 専用アプリは無料で、Android 2.2以降の端末向けに配信する。iOSやWindows Phoneへの対応は今後進めていく予定。電子書籍フォーマットは「XMDF」「.book」「EPUBコミック(Open Manga Format)」に対応する。

 国内における電子書籍の本格展開が見えてきた米アマゾンや楽天など大型サービスに対抗するものではなく、「出版社や電子書籍の書店の参入障壁を下げ、コンテンツの裾野を広げていくプラットフォーム」(シャープ通信システム事業本部ネットワークサービス事業推進センターの辰巳剛司所長)と位置付ける。当面は携帯電話向けに電子書籍を配信している事業者を中心に、対応事業者を増やしていく方針を取る。