写真1●デベロッパー&プラットフォーム統括本部 パートナー&クラウド推進本部 業務執行役員 本部長の平野和順氏
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写真2●Windows Azureのこれまでのマイルストーン
写真2●Windows Azureのこれまでのマイルストーン
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写真3●オープンソースプロジェクトと協力環境にあることをアピール
写真3●オープンソースプロジェクトと協力環境にあることをアピール
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写真4●オンプレミスのWindows ServerとクラウドのWindows Azureの間でSystem Centerを使って仮想マシン環境を移行できる
写真4●オンプレミスのWindows ServerとクラウドのWindows Azureの間でSystem Centerを使って仮想マシン環境を移行できる
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 日本マイクロソフトは2012年6月29日、同社のパブリッククラウドサービスであるWindows Azure向けの技術者イベント「Go Azure」を都内で開催した。初日のキーノートにAzureのトレードカラーであるブルーのサイクルジャージで登壇した平野和順本部長(写真1)は、「完成に近づきつつある」とWindows Azureの進化をアピールした。

 平野氏はまず、2008年に米国ロサンゼルスで開催されたPDC 08での発表からの歴史に触れ、2010年2月の正式リリースや、2010年10月のVMロール発表など、重要なマイルストーンとなる強化点を振り返った(写真2)。

 そのうえで、これまでのユーザー事例を紹介。具体的には、デジタルハリウッドによる3Dレンダリングや、スクウェア・エニックスによるソーシャルゲーム、ゼットエムピーによる自動車の走行ログ収集システムなどを挙げ、クラウドの優位性を強調した。

 例えば、デジタルハリウッドの3Dレンダリングは、Azure上で20コアを使うことで、それまでのローカルでは1週間かかっていた処理が1日で終了するようになった。自動車の走行ログ収集システムではタブレットで車を遠隔操作しながら、速度やロケーションなどの情報を収集している様子をデモ。さらに、平野氏自身でサイクリングしながら走行ログや自分の動悸などのデータを収集した結果も披露し、こうした膨大な生データの収集にクラウドが適しているとした。

オープンソースとの協力関係を強調

 最近では、業務用アプリについてもクラウド化が進んでいることを示した。具体的な例としては、オービックビジネスコンサルタントの奉行シリーズや、東洋ビジネスエンジニアリングのERPパッケージ「A.S.I.A. GP」などがAzure上で利用可能になっていると紹介した。

 続いて、米国で6月7日(現地時間)に開催されたイベント「Meet Windows Azure」で発表された新機能を順に紹介。IaaSによるLinuxなどの仮想マシン環境サポート、HTML5に対応したAzureポータルの新管理画面、Team Foundation Serviceによるチーム開発、ギャラリーにあるひな型パッケージを使ってWebサイト環境を簡単に構築できる「Webサイト」などの強化点を挙げた(強化点の詳細は「Windows AzureにIaaS機能を追加、Linuxも利用可能に」を参照)。こうしたWebサイト環境やOS環境のひな型は、オープンソースコミュニティに提供してもらっており、オープンソースとは協力関係にあることを強調した(写真3)。

 さらに、Windows Azureの特徴であるオンプレミスのWindows Serverとの親和性についても説明。今回の機能強化で、企業ネットワークと仮想ネットワークで接続し、VHD形式のハードディスクイメージの形でオンプレミスとクラウドの間で仮想マシン環境を柔軟に移行できるとした(写真4)。