図●NTT東西地域会社の光サービスの収支の推移
図●NTT東西地域会社の光サービスの収支の推移
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 NTT東西地域会社は2012年6月29日、光回線サービス「フレッツ光」の2011年度の収支を公表した。「ひかり電話」を含めた光サービスの収支はNTT東が403億円、NTT西が14億円の黒字だった。NTT西での単年度黒字化は2001年8月のサービス開始以降、初めて。NTT東は昨年(2010年度)に続き、2年連続となる。

 2011年度の収支の内訳は、NTT東のフレッツ光が298億円、ひかり電話が104億円と共に黒字。NTT西はフレッツ光が94億円の赤字だが、ひかり電話が108億円の黒字で、全体でも黒字を確保した。NTT東西合計の黒字化(417億円、)も今回が初めて。NTT持ち株会社は2008年5月に発表した中期経営戦略で「2011年度に光サービスの単年度黒字化」の目標を掲げており、公約通り達成できたことになる。

 NTT東西が2001年度以降に投じた加入者系光回線の設備投資額は累計約3兆円。設備投資は2005年度にピークアウト(NTT東西の合計でみた場合)しており、サービス開始10年目でようやく回収モードに入った。2012年3月末時点のフレッツ光の契約数はNTT東が935万件、NTT西が721万件の計1656万件。年間純増数は2007年度をピークに徐々に減少しており、3月にはKDDI(au)が携帯と固定をセットにした割引サービス「auスマートバリュー」を投入するなど競争も激化してきた。ただ光回線で7割超のシェアを持つ強みは大きく、現在の優位性をいかに継続できるかが重要となりそうだ。