政府は2012年6月29日、府省庁横断でサイバー攻撃に対応する専門チーム「情報セキュリティ緊急支援チーム」を発足させた。通称は「CYMAT」。サイバー事件機動支援チームを意味する「Cyber Incident Mobile Assistant Team」の略称となる。標的型攻撃など単独の組織では対応が難しい高度なサイバー攻撃が増えたことから、府省庁横断型組織を結成した。

 CYMATは各府省庁から選出された職員で構成する。現段階では26人だが、最終的には40人規模にする計画だ。CYMATの統括責任者は政府CISO(最高情報セキュリティ責任者)でもある内閣官房情報セキュリティセンター長が担う。内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)職員もCYMATメンバーとして参画する。

 CYMATの役割は情報セキュリティに関わる事件が発生した際、被害拡大の防止や復旧、原因調査、再発防止に向けた技術的な支援と助言である。平常時は座学や演習、内外の講演、人材育成コースへの参加などで情報セキュリティに関するメンバーの能力育成に努める。

 有事の際には、政府システムを24時間監視しているNISCの「政府機関情報セキュリティ横断監視・即応チーム」(GSOC)や、各府省庁の組織内CSIRTと連携して鎮圧、被害拡大防止に当たる。