写真1●NECのメインフレーム「ACOSシリーズ」大型機の新機種「i-PX9800/A100」
写真1●NECのメインフレーム「ACOSシリーズ」大型機の新機種「i-PX9800/A100」
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写真2●i-PX9800/A100が採用するACOS専用プロセッサ「NOAH-6」を搭載するCPUモジュール
写真2●i-PX9800/A100が採用するACOS専用プロセッサ「NOAH-6」を搭載するCPUモジュール
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 NECは2012年6月28日、メインフレーム「ACOSシリーズ」大型機の新機種「i-PX9800/A100」を発売した(写真1)。プロセッサにACOS専用の「NOAH-6」を搭載する。NECは2004年にACOSのプロセッサを米インテルのItaniumに移行したが、Itaniumの性能が伸び悩んでいることからACOS専用のNOAHを復活させた。NOAHの新モデルが登場するのは11年ぶり。標準レンタル価格は月額950万円からで、9月28日に出荷を開始する。

 NECによれば、i-PX9800/A100が搭載するNOAH-6の性能は、従来機「i-PX9000/A300」が搭載するItaniumプロセッサに比べて3.5倍だとしている。NOAH-6はNECが自社設計し、製造は外部に委託する(写真2)。製造プロセスは40ナノメートル(nm)で、1つのプロセッサに4つのコアを搭載する。動作周波数や演算性能は明らかにしていない。

 NOAH-6は2001年にリリースした前モデル「NOAH-5」のアーキテクチャを踏襲しており、「NOAH-6は、NOAH-5の半分のコストで開発している」(NECサーバ事業部の中島義博事業部長代理)という。また中島事業部長代理は、「メインフレーム事業は、成長性ではなく収益性が重要なビジネス」と語り、専用プロセッサを開発しても、メインフレーム事業の採算性には問題が無いとの見通しを示した。

 i-PX9800/A100は、最大プロセッサコア数が32個で、最大メモリー容量は32Gバイト。入出力処理性能は従来機の4倍に高めた。システムを再起動することなくファームウエアをアップデートできるほか、運用中にプロセッサやメモリー、冷却ファンなどを交換できる。NECによれば現在、ACOSの既存ユーザー20社が、i-PX9800/A100の導入を検討しているという。

 なおACOSシリーズの中型機は、今後もプロセッサにItaniumを使用する。ACOSの中型機は、UNIXサーバーの「NX7700i」とハードウエアが共通である。

■変更履歴
当初、最終段落で「中小型機」と記述していましたが、正しくは「中型機」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2012/06/28 20:00]