写真1●Dell vStart 50v/同50mの外観
写真1●Dell vStart 50v/同50mの外観
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 デルは2012年6月28日、仮想サーバー環境に必要なハードウエア一式をラックにキッティングした製品「Dell vStart」(写真1)を国内出荷した。主な販売対象は、仮想サーバーを初めて導入する中小企業(仮想サーバー台数は50~200台)。価格は、個々のハードウエアを個別に購入する場合と比べてほとんど変わらないが、構成済み/結線済みで納入することにより、導入時間を短縮できるとしている。

 Dell vStartは、仮想サーバー環境に必要なハードウエアを組み合わせ、設定済み/結線済みで提供する製品である。ユーザーは、使いたいサーバー仮想化ソフトの種類に応じて二種類(VMware vSphere/Hyper-V)から選び、想定する仮想サーバー台数に応じてハードウエアを3種類(50台向け、100台向け、200台向け)から選ぶ。これだけで、キッティング済みのラックが届く。電源ケーブルとネットワークケーブルをつなぐだけで使い始められる。

 ハードウエアの構成要素は、すべて同社(米DELL)のもの。具体的には、PCサーバーが「PowerEdge」、SAN(iSCSI)ストレージが「EqualLogic」、ネットワークスイッチが「PowerConnect」、である(今後、ストレージやスイッチの選択肢を拡大する予定)。個々のハードウエアのスペックは決められており、「ユーザーが求める典型的な構成」(デル)であるとしている。

 搭載済みのサーバー仮想化ソフトは以下の通り。(1)VMware vSphere版には、ハイパーバイザーであるVMware ESXi(無償)と、運用管理ソフトであるVMware vCenter(60日間トライアル版)が含まれる。vCenterを含め、VMware vSphere製品群の機能を利用するには、別途、VMware vSphereを購入する必要がある。(2)一方、Hyper-V版にはOSとして、仮想サーバー台数が無制限のエディション「Windows Server 2008 R2 Data Center」が含まれる。運用管理ソフトである「Microsoft System Center」は、必要に応じて別途購入する。

 Dell vStartの参考価格(税込み、以下同)は、ハードウエアスペック(想定する仮想サーバー台数)に応じて変わり、以下の通り。(1)仮想サーバー50台の「Dell vStart 50v」(VMware vSphere版)と「Dell vStart 50m」(Hyper-V版)は、1456万688円。(2)仮想サーバー100台の「同100v」と「同100m」は、1956万7022円。(3)仮想サーバー200台の「同200v」と「同200m」は、3068万4598円。