米Microsoftの競争法違反に関して欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)が2008年に同社に科した制裁金に対してMicrosoftが不服を申し立てていた件で、欧州普通裁判所は現地時間2012年6月27日、Microsoftの訴えを退ける判断を下した。ただし、制裁金は約4%減額する。

 ECは2004年3月に、Microsoftが欧州競争法に違反したとして他社への情報開示や4億9720万ユーロの罰金支払いを含む是正措置を決定した。2006年7月には、同社の是正条件履行が不十分とみなして2億8050万ユーロの制裁金支払いを命じた。Microsoftはこれを不服として控訴したが、2007年10月にECの是正命令に遵守することで合意した。ECは、2006年7月から2007年10月に至るまでの是正措置不履行に対する課徴金として、2008年2月に8億9900万ユーロの支払いをMicrosoftに命じた(関連記事:欧州委,競争法違反の是正措置不履行でMicrosoftに約13億5000万ドルの制裁金)。

 今回、欧州普通裁判所は制裁金を科したECの判断を基本的に支持したが、制裁金を8億9900万ユーロから8億6000万ユーロに減額した。その理由として、Microsoftは2004年のECの判断に対する裁決が出るまで、オープンソース開発者による相互運用可能な製品配布を制限することをECから許可されていたと、欧州普通裁判所は指摘している。

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