総務省は2012年6月27日、LTE普及のための700MHzにおける特定基地局の開設計画について、申請のあったイー・アクセス、NTTドコモ、KDDI(沖縄セルラー電話含む)の3社すべての開設計画を認定すると発表した。同日開催した電波監理審議会からの答申を踏まえ、773MHz~803MHz(基地局用)を10MHz幅ずつ3社別に指定して割り当てるとした。

 具体的には、イー・アクセスは793MHzを超え803MHz以下(Highバンド)、NTTドコモは783MHzを超え793MHz以下(Middleバンド)、KDDIには773MHzを超え783MHz以下(Lowバンド)の周波数を割り当てる。3社が揃って第1希望として申請していたMiddleバンドは、NTTドコモが獲得する結果となった。

 割り当ての優先順位については、希望する周波数が重複した場合の審査方法である「競願時審査基準」に沿って採点したうえで決定した。今回は、「開設計画は概ね3社ともよくできていた」(電波監理審議会の前田忠昭会長)が、審査基準の一つである、既存免許人のFPUと特定ラジオマイクの移行に伴う「終了促進措置の円滑な実施」においてNTTドコモが他の2陣営よりも優位である、という判定となり最高点(5.5点)となり、第1希望が割り当てられた。イー・アクセスとKDDIは他の基準でも差が付かず同点(3.5点)となり、共に第2希望として申請していた周波数がそれぞれ割り当てられた。

 電波監理審議会の前田会長は、「NTTドコモの提案は、終了促進にあたってメーカーも含めた協議会を設置すると言った提案や、テストベッドを構築するといった技術的な支援を想定しているなど、全体のために考えた提案があったという印象を受けた」と、優位と判定した根拠を述べた。

 今回割り当てられた700MHz帯を活用したLTEサービスの開始時期については、それぞれ、イー・アクセスが2015年12月、NTTドコモが2015年1月、KDDIが2015年1月を予定していると申請している。

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