総務省 九州総合通信局は2012年6月27日、九州・沖縄マルチメディア放送(代表取締役社長:佐々木克氏)から申請のあったV-Lowマルチメディア放送実験試験局に予備免許を付与したと発表した。

 この実験試験局は、2009年4月~2011年3月に福岡市で行われたマルチメディア放送実験(ユビキタス特区)の成果を踏まえ、実用化のための最終検証の場として開設するものという。実験の期間は2012年夏~2014年3月を予定する。無線設備の設置場所と空中線電力は、福岡市早良区の3kWと、福岡県筑紫野市の0.2Wである。

 今回の実験試験局では、「V-LOW帯電波送受信実験」「Channel-V(車載型端末向け)配信サービスの検証」「「Channel-Lo」サービス実験」「通信機能を持たない受信端末に対する課金システムの検証」「放送波ルータ/サーバー型受信機の開発・検証」「デジタルサイネージ向けの放送実験」などを予定している(実験イメージの資料(PDF))。

 V-Lowマルチメディア放送については、全国の複数地区で実証実験のプロジェクトが動いている。福岡はそのうちの一つであり、福岡V-Lowマルチメディア放送実験協議会が活動を進めている(関連記事1関連記事2)。今回の予備免許は、この協議会が進める実験を行うためのものである。

 なお、7月4日と5日、プロフェッショナル向け放送・業務用機器展として九州地区最大規模の「九州放送機器展2012」(ホームページ)が開催されるが、九州・沖縄マルチメディア放送、福岡V-Lowマルチメディア放送実験協議会及びエフエム東京が共同でブースを出展し、3セグメントを利用したV-Lowマルチメディア放送のデモを行う。また、4日には、V-Lowマルチメディア放送と安全安心などをテーマにしたセミナーを行う。

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