写真1●2012年7月から本格展開する「OKMusic」の画面。「大人ミュージック」を訴求
写真1●2012年7月から本格展開する「OKMusic」の画面。「大人ミュージック」を訴求
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写真2●OKMusic事業を推進するオーケーライフの浅見公香代表取締役社長
写真2●OKMusic事業を推進するオーケーライフの浅見公香代表取締役社長
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 Q&Aサイト運営のオウケイウェイヴ(OKWave)と子会社のオーケーライフは2012年7月4日に音楽専門のソーシャルネットワーキングサービス(SNS)である「OKMusic」の機能を大幅に強化する(写真1)。

 OKMusicは2011年9月からベータ版として運営してきたが、7月から「ソーシャル・ミュージック・サイト」として運営体制を大きく変える。2012年までに英語版を含めて100万人の利用を目指し、音楽を楽しむ人のための新たな場作りを狙う。FacebookやGoogleなどのアカウントを持っていれば、簡単な操作で利用できる。

 ベータ版のOKMusicでは限られたレコード会社の楽曲約1万5000曲を対象に、試聴やレビューの共有といった機能を提供していた。7月以降は、米アップルのiTunes Storeとデータベースを接続し、iTunes Store取り扱い楽曲のうち日本で販売している約400万曲を対象に加えて、より多くの楽曲を対象に試聴やレビュー投稿ができるようにする。

「大人ミュージック」を切り口に音楽需要喚起

 OKMusicではコンセプトとして「大人ミュージック」を前面に掲げる。音楽市場では新譜が売れにくくなっている一方で、旧譜やカバーアルバム、カラオケ、ライブイベントなどには根強い需要がある。そこで、7月以降のOKMusicでは1970年~80年代の旧譜のランキング情報やレビュー情報を充実させる。利用者による演奏の投稿など楽曲の2次利用を公式に認め、OKMusicが日本音楽著作権協会(JASRAC)に対して使用料をまとめて支払う。OKMusicは当面はアフィリエイトなどの広告で収入を得る方針だ。

 新事業を統括するオーケーライフの浅見公香代表取締役社長(写真2)は、「既存の音楽配信システムは音楽の“自動販売機”にとどまっている。音楽愛好家同士をソーシャルで結び付けることができれば、もっと需要を喚起できるはずだ」と説明する。

 ただし、これまで音楽とSNSを結びつけようとしたサービスは、どれも大きく育っていないという現実がある。ミクシィの「mixiミュージック」はサービス終了に追い込まれ、米アップルの「Ping」も積極的な機能追加が行われなくなっている。それでも、浅見社長は「音楽をみんなで楽しんで豊かな時間を過ごしたいというニーズはあるはず」と話す。システム開発を自前で行うなどしてコストを切り詰めながら、ビジネスモデルの確立を目指す。