写真1●インテル 代表取締役社長の吉田和正氏
写真1●インテル 代表取締役社長の吉田和正氏
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写真2●会場に展示された各PCメーカーのUltrabook
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 インテルは2012年6月26日、発表から約1年が経過した「Ultrabook」の機能や方向性について、あらためて報道陣に説明した。インテル 代表取締役社長の吉田和正氏(写真1)は、「新しいものが普及する際、ある時点を超えると一気に普及が進む。Ultrabookはいま、その一歩手前の段階にある」と述べた。

 Ultrabookが新PCカテゴリーとして発表されたのは2011年5月のこと。同年8月には、インテルの投資部門であるインテル キャピタルが、Ultrabookのハードウエアおよびソフトウエアを開発する企業を対象とした3億ドルのUltrabook基金を創設した。

 その後、2011年秋には各メーカーがUltrabookの製品ラインアップを発表、2012年6月にはUltrabookに適した第3世代のインテルCoreプロセッサーファミリーが登場している(写真2)。

 吉田氏は、「Ultrabookは新しいモバイル体験を実現させるもの。夏に向けてこれまでの5倍以上となる110機種のUltrabookが揃うことになる。また、コンシューマー向けのみならず、企業向け製品も登場する」と述べた。

「近い将来、タッチ機能やセンサー機能も搭載」

 続いて登壇したインテル マーケティング本部長の山本専氏と、インテル インテル技術本部長 土岐英秋氏は、Ultrabookがいかにしてユーザー体験を向上できるか、その技術について説明した。

 まずUltrabookの特徴のひとつに、休止状態からの立ち上がりが7秒未満と高速なことが挙げられる。これは、「インテル ラピッド・スタート・テクノロジー」によるもので、スリープ状態から設定した時間が経過するとDRAM内の情報が外部キャッシュに移動し、再度電源を入れたときには情報がDRAMに書き戻される仕組み。このため、「スリープ状態並みの高速復帰が可能になる」(土岐氏)という。また、この技術によって消費電力を抑えられ、「休止状態で週末2日を過ごした場合でもバッテリーは90%以上残っている」と土岐氏はアピールする。

 また、Ultrabookには「インテル スマート・コネクト・テクノロジー」が採用されている。通常、スリープ状態のPCはネットワークにアクセスできないが、この技術では、スリープ状態でもシステムが適合するアクセスポイントを検知し、対応アプリケーションがクラウドと同期、データを更新するという。そのため、「PCを立ち上げたときには常に最新情報が入手可能」と山本氏は言う。

 さらに、「UltrabookはHDDの大容量とSSD並みの性能を両立させている」と土岐氏は話す。これは、「インテル スマート・レスポンス・テクノロジー」によるもので、1つのドライブに見える小容量のSSDと大容量のHDDを搭載し、HDDとシステムメモリー間のキャッシュメモリーとしてSSDを使用するよう設定することで高速化を実現している。

 6月5日には第3世代のインテル Coreプロセッサーが発表され、さらなるパフォーマンスの向上が見込めるUltrabook。吉田氏は、今後のUltrabookについて「近い将来、タッチ機能やセンサー機能も搭載されることになり、より豊かなユーザー体験が実現する」と述べた。