写真1●DBMoto Cloud Editionの管理画面
写真1●DBMoto Cloud Editionの管理画面
[画像のクリックで拡大表示]

 クライムは2012年6月25日、遠隔地のデータベースをWANを介して複製するためのソフト「DBMoto Cloud Edition」(写真1)を出荷した。既存の複製ソフトに対して、WANを介して通信するための機能モジュールを新たに追加したかたち。ライセンス価格は、CPUコア数や接続データベース数に応じて変わり、最小構成で50万円前後。開発会社は、米HiT Software。

 DBMoto Cloud Editionは、遠隔地同士のデータベースをインターネットを介して複製するためのミドルウエアである。既存のデータベース複製ソフト「DBMoto」(Windows版)にいくつかの機能モジュールを追加した版に相当する。追加モジュールの動きは、ソース(反映元)データベースからDBMotoが抽出したデータをXML化し、これをWebサービスで遠隔地に渡し、遠隔地でターゲット(反映先)データベースに登録する、というもの。

 前提となるDBMotoとは、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)のレプリケーション(複製)ソフトである。主な特徴は二つある。一つは、全てのレコードを一括コピー(日次バッチなど)する使い方に加えて、トランザクションログの更新を定期的(1時間に1回など)に調べることで、トランザクション単位での差分更新が可能なこと。ソースからターゲットへの片方向に加えて、双方向での差分更新も可能である。

 もう一つの特徴は、ソース/ターゲットともに、各種のRDBMSに接続できること。差分更新で利用できるRDBMSは、ソースがDB2、Oracle Database、SQL Server、SQLBase、MySQL、Informix、Sybase ASE、SQL Anywhere。一方、ターゲットは、これに加えて、Netezza、IBM Cloudscope、PostgreSQL、Ingress、Access、Solid、Firebirdが加わる。フルコピー時には、これら差分更新のターゲットとして利用できる各種のRDBMSを、ソースとしても利用できる。

 稼働環境は、以下の通り。ソース側では、DBMoto本体と、ソース側の機能モジュールが動作する。いずれもWindows上で動作する。一方、ソース側の機能モジュールとWebサービスで通信するターゲット側の機能モジュールは、WindowsとIIS(Internet Information Services)の環境で動作する。