米Googleは現地時間2012年6月22日、「Google Maps API」の値下げを発表した。「Google Maps API」は、同社の地図表示サービスの機能を外部サービスやアプリケーションから利用可能にするAPIである。

 具体的には、地図の読み込み1000回当たり4ドルだった価格を50セントに引き下げる。表示スタイルをカスタマイズできる「Styled Map」と通常の地図の区別をなくし、同等の使用限度と価格を適用する。

 Google Maps APIは、90日間連続で毎日2万5000回の地図読み込みまで無料。新たな利用料を適用するWebサイトは、同APIを利用しているWebサイト全体の0.35%になると、Googleは見ている。なお、無料上限を超えたWebサイトに対しては自動的に課金するのではなく、GoogleがWebサイトに連絡をとって今後の選択肢について協議する方法をとる。

 Googleは、トラフィックの多いWebサイトに対して、技術サポートなどが付属した企業向けプログラム「Google Maps API for Business」の導入を検討するよう勧めている。

 Googleは7年前にGoogle Maps APIを公開し、2011年に無料使用の上限を設けた。今回の価格改定は、開発者の声に耳を傾けた結果から判断したことだと説明している。米メディアの報道(CNET News.com)によると、同APIの価格に不満を持つ開発者が、自由に利用および改変できる地図作成のボランティアプロジェクト「OpenStreetMap」に続々と移行していたという。

 地図サービスに関しては、米Appleが次期モバイルプラットフォーム「iOS 6」で独自の地図サービスを実装する予定で(関連記事:Appleが「iOS 6」を発表、独自地図サービス、Facebook統合、Siriを強化)、米Microsoftも次期モバイルプラットフォーム「Windows Phone 8」ではフィンランドNokiaの地図技術を全面的に統合する方針を明らかにしている(Microsoftの公式ブログ)。

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