優れたIT活用事例を表彰する「IT Japan Award 2012」(主催:日経コンピュータ)の受賞企業が決まった。グランプリには、グローバルの基幹系システム刷新に取り組む、アサヒグループホールディングス(HD)が輝いた。準グランプリは、農産物販売会社のいろどり(徳島県上勝町)、中古車販売を手掛けるガリバーインターナショナルの2社が受賞した。

 2012年7月4日から東京・品川のプリンスホテルで開催するIT経営フォーラム「IT Japan 2012」の中で贈賞式を行う。グランプリを受賞したアサヒグループHDの本山和夫副社長が登壇し、記念講演を行う。IT Japanは3日間の日程で、企業のトップやCIO(最高情報責任者)、国内外の主要IT企業のトップを講師に招いている。

 IT Japanの2012年のテーマは「成長への挑戦」。受賞した3社は、まさにITの活用で国内外での成長に挑んでいる。

 アサヒグループHDはグローバルの食品企業でトップ10に入るとの目標の下、プライベートクラウドを活用した基幹系システムの刷新を「3Gプロジェクト」として推進。グループの情報システム機能を集約し、ITガバナンスの強化にも取り組んでいる。

 いろどりは、平均70歳という高齢者が中心の農業従事者の活性化をタブレット端末で支援する「上勝情報ネットワーク」を構築。ガリバーインターナショナルは営業支援システムの「ガリバーウェブサービス」で、一般消費者への中古車小売り事業の強化を図る。

 過去1年間の日経コンピュータに掲載した記事の中から、IT Japan Awardにふさわしい取り組みを選んだ。審査基準は「経営革新・業務改革への貢献度」「システム構築・活用における独創性」「採用技術・手法の先進性」である。情報処理推進機構ソフトウェア・エンジニアリング・センター所長の松田晃一氏を委員長とした、外部の有識者を交えた委員会で審査を実施した。