「2013年の早い時期にハイエンドのスマートフォンの無線LANにはIEEE 802.11ac技術が採用される」。2012年6月20日から22日にかけて中国・上海で開催されているMobile Asia Expoで米ブロードコムのVice President、Strategic BD & OperatorsのKetan Kamdar氏(写真1)は同社の無線LANチップの展開についてこのように説明した。
Broadcomは150米ドル程度のスマートフォンをターゲットにしたSoCなどを提供しており、新興国市場向け低価格スマートフォンの中核部品を担っている。
現在のローエンドのスマートフォンは「2.4GHz帯のみのシングルバンド対応だが、2013年にはローエンドも2.4GHz帯と5GHz帯のデュアルバンド対応になり、IEEE 802.11nをサポートするようになる。そしてハイエンドには11acが入ってくる」と同氏は述べた。
ただし、スマートフォンの場合は筐体が小さいため、シングルアンテナになるという。同時期にスマートフォンだけでなく、家庭用ゲーム機などにも11acが採用され始めるという(写真2)。
同社の顧客向けブースでは、2012年末ころ登場すると予測される普及価格帯のリファレンスモデルを展示している(写真3、写真4)。HSPA+やIEEE802.11a/g/bおよびシングルストリームの11nに対応するチップであるBCM4330が採用されている。無線LANは2.4GHz帯と5GHz帯のデュアルバンドで、Bluetooth 4.0+HSにも対応する。リファレンスモデルのOSはAndroid 4.0を採用していた。