日本IBMは2012年6月21日、複数の外部システムと連携して動作する複雑な業務アプリケーションの機能/負荷/結合テストを簡素化するソフトウエアスイート「IBM Rational テスト仮想化/自動化ソリューション」を発表、出荷した。外部システムの実環境やコピー環境を使うことなく、外部システムの応答を模倣したテスト専用環境を構築して利用する。価格(税別)は、4000万円から。

 業務システムの結合テストを支援するソフトウエアである。業務システムと連携する外部システムの動作/応答を模倣することによって、実際の外部システム(実稼働環境や、テスト用に用意した実システム)を使わずに、これら外部システムと連携した動作や性能をテストできる。他社システムなど、テストのために稼働を停止させたりすることが難しいシステムと連携するケースに向く。

 以下の三つのソフトウエアで構成する。

 (1)「IBM Rational Test Workbench v8.0」は、テストのシナリオを作成/実行するツール。シナリオの作成においては、外部システムを模倣するプログラムも生成する。外部システムとの連携プロトコルを実際にキャプチャして自動生成するほか、設計書から得られた通信プロトコルの仕様をGUI画面でモデル化して設計できる。

 (2)「IBM Rational Test Virtualization Server v8.0」は、外部システムを模倣するプログラムを稼働させるための仮想環境である。

 (3)「IBM Rational Performance Test Server v8.0」は、負荷テストのためのソフトである。

実稼働環境へのデプロイソフトも2012年に出荷

 なお、今回のソフトウエアは、ソフトウエア開発/運用ライフサイクルを補完する製品群の一つである。ここ1~2年以内に出荷した製品としては、2011年7月に出荷した「IBM Rational Collaborative Lifecycle Management」(事業部門と開発部門など異なる開発部門同士のワークフローと情報共有を支援)に次ぐものとなる。

 2012年内には、Rational Collaborative Lifecycle Managementのプラグインとして、開発したアプリケーションを、サイジング(必要なIT資源の割り当て)などを自動化したかたちでプラットフォーム「IBM PureApplication System」にデプロイ(配備)するソフト「IBM SmartCloud Continuous Delivery(Beta)」を出荷する予定である。