2012年6月20日(現地時間)、米Microsoftはサンフランシスコで「Windows Phone Summit」を開催し、Windows Phoneの次期メジャーバージョンである「Windows Phone 8」を正式発表した(写真1)。
Windows Phone 8(コードネーム"Apollo")について、Microsoftは「次のメジャーバージョン」などの呼称を用いていたが、今回の発表会で初めてWindows Phone 8という製品名を発表したことになる。
Windows 8と同じカーネルを使用
現地時間で午前9時から始まった発表会では、最初にWindows Phone部門を統括するコーポレート・バイスプレジデントのTerry Myerson氏が登場(写真2)。Windows Phoneのこれまでの歩みを振り返りつつ、次のバージョンが「Windows Phone 8」という名称になることを発表した。
次に、Windows Phoneユーザーにとって馴染み深い、コーポレート・バイスプレジデントのJoe Belfiore氏が登場(写真3)。Windows Phone 8の機能を次々と披露した。
Windows Phone 8の最も大きな変化としてBelfiore氏が最初に紹介したのがWindows 8のコアを採用するというもの。内部構造として、従来のWindows Phoneが採用していたWindows CEカーネルに代わり、Windows 8と同じWindows NTカーネルを採用する(写真4)。
発表会では“Shared Windows Core”と表現されるカーネルやネットワーキング、マルチメディア、デバイスドライバといったコンポーネントが、Windows 8とWindows Phone 8で共有されるようになる。これにより、端末メーカーはWindows 8のデバイスドライバをWindows Phone 8に流用するようなことが可能になるという。
ハードウエアサポートが大幅に進化
Windows Phone 8では、ハードウエアサポートも大きく進化する(写真5)。
プロセッサーについて、従来のWindows Phoneがシングルコアのみのサポートだったのに対し、Windows Phone 8では新たにデュアルコア(あるいはそれ以上)のプロセッサーをサポートする。アーキテクチャ上は、64コアのシステムでも動作するという。
画面解像度も従来は800×480ピクセルのみだったが、Windows Phone 8では以下の3種類がサポートされる。いずれの解像度においても、従来のWindows Phoneアプリは問題なく動作するという。
- WVGA(800×480ピクセル, 15:9)
- WXGA(1280×768ピクセル, 15:9)
- 720p(1280×720ピクセル, 16:9)
MicroSDについて、従来のWindows Phoneではエンドユーザーによる交換は想定されておらず、搭載しない端末も多かった。しかしWindows Phone 8では交換可能なMicroSDカードをサポートする。具体的な用途としては「写真・音楽・動画・アプリのインストール」が挙げられていた。