写真1●中国ZTEのワイヤレス関連製品の責任者を務めるWang Shouchen Vice President(副総裁)
写真1●中国ZTEのワイヤレス関連製品の責任者を務めるWang Shouchen Vice President(副総裁)
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写真2●LTE対応のハイエンドモデルとなるAndroid 4.0搭載スマートフォン「Grand X LTE(T82)」
写真2●LTE対応のハイエンドモデルとなるAndroid 4.0搭載スマートフォン「Grand X LTE(T82)」
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 「TD-LTEの端末は必ず日本から出す。ここでいう端末とはスマートフォンのことだ」。2012年6月20日、中国・上海で開催中のMobile Asia Expoで、報道陣のインタビューに応じた中国ZTEのワイヤレス関連製品の責任者を務めるWang Shouchen Vice President(副総裁、写真1)は同社が展開するTD-LTE製品についてこのように述べた。

 Wang氏は、「TD-LTEの展開でスケールがもっとも大きいのは日本のソフトバンクだ」と指摘。ソフトバンクグループのWireless City Planningが現在日本国内の一部で提供しているAXGPによる通信サービス向けに機器を提供していることなどを説明した。

 またスウェーデンではハチソン・ワンポア(ブランド名は「3」)と協力して、FDD/TDDデュアルモードのLTEサービスを展開。その基地局をZTEが提供しているとした。Wang氏は基地局側、端末側いずれにおいても現在同社のLTE製品は既にTDDにもFDDにも対応できるデュアルモードになっていると説明、今後どちらが普及しても対応できる体制になっていることを強調した。

 同じTDD技術を用いるWiMAXについてWang氏は「いずれTDD-LTEに収束する」との見方を披露。現在同社が提供しているWiMAX向けの機器はTDD-LTE対応にいつでもアップグレードできる」と述べた。また通信事業者のインフラ運用アウトソーシング事業を今後同社の売上の30%程度にまで引き上げたいと述べ、既にコロンビアやインドでそうした実績があると述べた。

 なお同社は同日、LTE対応のハイエンドモデルとなるAndroid 4.0搭載スマートフォン「Grand X LTE(T82)」を発表、Mobile Asia Expoの展示ブースでも実機をデモし(写真2)、LTEへの注力をアピールしていた。プロセッサにはデュアルコアで1.5GHz動作のSnapdragon S4 MSM8960を搭載する。2012年第3四半期にヨーロッパおよびアジア太平洋地域で提供を開始する予定である。