写真●ホンダ 伊東孝紳社長
写真●ホンダ 伊東孝紳社長
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 ホンダは2012年6月20日、都内の本社で、同社の環境への取り組みについての説明会を開いた。伊東孝紳社長は環境への取り組みの重要性について、かつて米国の環境規制に対応するCVCCエンジンを独自開発したことにも触れながら「事業発展に直結すること」と、全社一丸となった活動であることを力説した(写真)。

 同社ではすでに新型製品のCO2排出量を、前モデルよりも減らすための社内基準「HEPS」を設けて、2011年度は適応製品を四輪車68モデル、二輪車43モデル、汎用製品38モデルへと拡大している。環境安全企画室の加藤久氏は「例えば新製品の開発であれば、最初に目標燃費をきちんと定め、それがHEPSと連動して、双方を達成できる形で仕事を進めている」と語る。製品の環境性能基準については本社のIT(情報技術)システムで一括管理し、工場での排出物や使用物質などの環境データは各事業所が把握、本社がデータを集約した上で、「環境レポート」などにまとめている。同日には、2012年の年次レポートを公開した。

 伊東社長は「ホンダの環境への取り組みについて広く知ってもらうために自治体や認証機関などと協力して、正統派の活動を続ける。自社の工場がある熊本県では、自治体と協力して高齢者向けの電動カートを使った取り組みもしている。移動の楽しさを知ってもらい、クオリティー・オブ・ライフを高めることにも貢献したい」と語った。

 さらにモータースポーツ活動への展開にも触れて、「ハイブリッド車など面白いクルマを作り、性能にも環境にも配慮していることを示したい。早く花を開かせたい」と語った。