米書店チェーンのBarnes & Noble(B&N)が現地時間2012年6月19日に発表した2012会計年度第4四半期(2~4月)の決算は、売上高が13億8000万ドルで、前年同期に比べ0.4%増加した。また純損失は5770万ドルで、赤字幅は3%縮小した。書籍の小売り販売事業と大学向け事業の売上高はそれぞれ0.5%、5.7%伸びたが、電子書籍事業が10.5%落ち込んだ。

 B&Nによると、2~4月期の米国電子書籍市場における同社のシェアは25%~30%。しかし電子書籍端末「NOOK」の販売が落ち込んでいる。電子書籍事業のEBITDA(利子、税金、減価償却費控除前損益)は7700万ドルの赤字で、赤字幅は前年同期の4700万ドルから拡大した。NOOKの小売業者からの返品が増えたほか、平均販売価格の下落などが主な原因だった。

 併せて発表した2012会計年度(2011年5月~2012年4月)通期の売上高は71億2900万ドルで、前年から1.9%増加した。純損失は6890万ドルで赤字幅は前年から7%縮小している。通期の電子書籍事業の売上高は9億3300万ドルで同34.3%増。しかしEBITDAは2億6200万ドルの赤字で、赤字幅は前年の2億900万ドルから拡大した。

 なお米MicrosoftとB&Nは今年4月、B&Nが設立する電子書籍関連の子会社にMicrosoftが3億ドルを出資することで合意している(関連記事:マイクロソフトが米大手書店のバーンズ・アンド・ノーブルの電子書籍事業に3億ドル出資)。米メディア(Wall Street Journal)によると、B&Nは、子会社の設立やMicrosoftの出資計画は順調に進んでおり、今年の10月末か11月初めに手続きが完了する見込みと述べている。

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