写真1●Powered BLUE 850 Mail Plusの外観(ハードウエアアプライアンス版)
写真1●Powered BLUE 850 Mail Plusの外観(ハードウエアアプライアンス版)
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 ムービットは2012年6月19日、メール添付ファイルの暗号化やWebダウンロード機能を備えたメールサーバー機「Powered BLUE 850 Mail Plus」(写真1)の新版を発表した。新版では、2台に対して同時にメールを中継できるようにした。6月20日にハードウエア一体型製品の新版を、2012年7月(予定)に仮想アプライアンス版の新版を出荷する。

 Powered BLUE 850 Mail Plusは、高機能メールサーバー機である。送信メールに含まれる添付ファイルを、ZIP形式で暗号化/アーカイブして相手に送信できる。また、添付ファイルをメールではなくWebダウンロード形式でメール受信者に渡すこともできる。

 単独でメール送信/受信サーバーとして使えるほか、既存のメールサーバーと組み合わせて利用できる。メールサーバー同士の中継設定などは、すべてWeb画面で実施できる。ログサーバー(syslog)機能も備えており、メールサーバー群が出力したログを収集/管理できる。

ユーザー数無制限モデルや月額レンタルモデルを用意

 製品ラインアップは、提供形態とライセンスに応じて3種類を用意した。それぞれの概要と価格(税別)は、以下の通り。

 (1)1Uのラックマウント型PCサーバーにソフトウエアを導入したハードウエアアプライアンス版。ユーザー数無制限で利用できる。機能をZIP暗号化に限った最安価モデルの価格は、120万円(2012年9月末までの期間限定価格は72万円)。(2)仮想アプライアンス版。ユーザー数ライセンスを採用しており、機能をZIP暗号化に限った最安価モデルの価格は、最小構成50ユーザーで36万円。

 (3)Google Apps(Gmail)と組み合わせて使うことを想定した仮想アプライアンス版。この製品では、Gmailからのメール中継を許可する設定をWeb管理画面で簡単に施せるようにしている。背景には、Gmailの場合、複数のメールサーバーが切り替わるので、メール中継を許可するサーバーの設定が難しいという状況がある。同製品は月額制のレンタルで提供する。機能をZIP暗号化に限った最安価モデルの価格は、最小構成50ユーザーで月額2万円。

新版では2台に同時中継可能に、ハードウエアのスペックも向上

 新版での機能強化は、主に2点ある。一つは、メールの中継設定を強化し、同時に2台のメールサーバーに対してメールを中継できるようにしたこと。これまでは1台に中継する設定しか施せなかった。この機能強化により、例えばメールサーバーの移行時に、旧メールサーバーと新メールサーバーに同時にメールを中継して同時に運用する期間を設けることができる。また、メールアーカイブサーバーにメールを中継する使い方ができる。

 もう一つの強化機能は、ログサーバー(syslog)の設定を細かくしたこと。Web管理画面から設定できるログの取得設定を、以前よりも細かくしたとしている。

 ハードウエアアプライアンス版の新版では、ソフトウエアの機能強化に加えて、ハードウエアスペックも向上させた。具体的には、搭載ディスクの容量を従来機種の2倍(機能をZIP暗号化に限った最安価モデルで500Gバイト)にした。また、これまで仮想アプライアンス版のGoogle Apps向け製品だけが備えていたGoogle Apps向けの中継設定メニューを取り込んだ。これにより、ハードウエアアプライアンス版でも、Web画面上の簡単な設定だけでGoogle Apps環境で利用できるようになった。