日立製作所は2012年6月19日、生活協同組合連合会コープネット事業連合が運営する宅配サービス「コープデリ」の物流システム基盤である「コープデリ宅配物流統合システム」をプライベートクラウド環境で構築し、本格稼働を開始したと発表した。これまで15カ所の集品センターで個別に運用していた集品業務用サーバーを、独自のサーバー仮想化機構「Virtage」を用いて集約。集品データ作成を行うバッチ処理業務時間を従来比で約40%短縮したとする。

 今回のシステム統合では、コープデリ宅配事業の物流システムを構成するデータベース、バックアップシステム、および15カ所の集品センターに分散していた集品業務用サーバーを、同社の統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」とサーバー仮想化機構Virtageを活用したプライベート環境に移行し、「コープデリ宅配物流総合システム」として集約した。従来システムと比較して、サーバー台数は約4分の1に削減したという。

 新システムのサーバー環境にはBladeSymphonyの小型高集積モデル「BS320」を、ストレージは同社製のミッドレンジ・ディスク・アレイ「Hitachi Adaptable Modular Storage 2500(AMS2500)」をそれぞれ採用した。

 Virtageは、各サーバーの業務処理量に応じて、プロセッサーなどのハードウエアリソースを効率的に割り当てる機能だ。新システムは、Virtageと、AMS2500が提供するストレージの自動負荷分散機能「ダイナミック・ロード・バランス・コントローラ」を適用することで、バッチ処理時間の削減を実現した。

 生活協同組合連合会コープネット事業連合は、神奈川県を除く関東1都5県および長野県、新潟県の生協(いばらきコープ、とちぎコープ、コープぐんま、ちばコープ、さいたまコープ、コープとうきょう、コープながの、コープにいがた)が加盟する団体で、8つの生協のチェーン本部の機能を担う。