米Yahoo!は現地時間2012年6月18日、米Google傘下のディスプレイ広告配信会社AdmeldのMichael Barrett最高経営責任者(CEO)を、広告事業の上級副社長兼最高収益責任者(CRO:Chief Revenue Officer)に任命したと発表した。7月初めにRoss Levinsohn暫定CEOの直属として、Yahoo!のグローバルな広告販売事業を統括する責任者に就任する。

 Barrett氏は2008年から広告収益最適化(yield optimization)サービスを手がけるAdmeldのCEOを務めていたが、2011年12月にGoogleが同社を買収した後は、Googleとの事業統合に注力してきた(関連記事:Googleによるディスプレイ広告配信サービスAdmeld買収、DOJが承認)。

 AdmeldでCEOを務める前は、米News Corp傘下のFox Interactive Mediaで上級副社長兼CROを務め、MySpaceやFoxSports.comの広告販売事業の責任者を務めた。またYahoo!のLevinsohn暫定CEOは当時、Fox Interactive Mediaの社長を務めており、Barrett氏とLevinsohn氏はかつての同僚という関係。Barrett氏は、AOL Media Networksや、Yahoo!、GeoCities、Disney Onlineでも販売部門の責任者を務めた経歴も持つ。

 Yahoo!では、2011年9月にCarol Bartz元CEOが突如解任された後、今年1月にCEOに就任したScott Thompson氏の指揮の下で経営改革が進められていたが、5月に同氏が学歴詐称問題で解任されるなど混乱が続いた(関連記事:米Yahoo!、学歴詐称問題でCEOを解任、Third Pointから3人が取締役に)。

 またYahoo!の第1四半期の決算は、売上高が前年同期に比べ1%増加したものの、ディスプレイ広告は同4%減少している。広告のベテランを起用することで、主力のディスプレイ広告事業をテコ入れするものとみられる。

[発表資料]