図●日立が開発したメッセージング技術の説明資料
図●日立が開発したメッセージング技術の説明資料
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 日立製作所は2012年6月18日、メッセージングサーバーとインメモリー型の分散キー・バリュー型データストア(KVS)とを連携させる技術を開発したと発表した。同社が独自開発したキュー構造型のKVS技術を使って、高速かつ信頼性の高いメッセージング処理ができる。通信事業者のメールシステムなどにおける処理基盤として、同技術を売り込みたい考えだ。

 通信事業者が提供する既存のメールサービスでは、ユーザーの送信メールを受け付けたメッセージングサーバーが外部ストレージに送信メールをいったんバックアップし、順次配信処理をする。この外部ストレージへのアクセスが、処理性能のボトルネックになっているという。

 今回日立が開発した技術では、外部ストレージの代わりにインメモリー型の分散KVSを採用。メッセージングサーバーとKVSのソフトウエアを同一サーバー内に設置し、キューごとに分散処理や障害監視、切り替えを実施できる。メモリー上で処理を完結するため、高速な処理ができるほか、信頼性や拡張性も向上させることが可能だ()。

 日立はビッグデータ関連事業の売上高を、2015年度には1500億円に拡大する計画を打ち出している(関連記事)。「当社が注力領域としているビッグデータ関連事業の鍵となる技術にしていく」と、同社情報・通信システム社の原口直規通信ネットワーク事業部チーフプロジェクトマネージャは話す。