アシストは2012年7月末までに全社のパソコン950台を対象にLinuxを導入する。現時点ではデュアルブートの形でWindowsもインストールしているパソコンが多いが、レンタル期間終了後に新しく導入するパソコンのほとんどはLinuxだけをインストールする方針だ。ただし、同社で販売しているWindows向けソフトウエアのサポートのための、Windowsとのデュアルブートまたは仮想デスクトップによる検証環境は残る見込みである。

 採用するLinuxディストリビューションは「Ubuntu」。同社がLinuxに移行したのは、英Canocicalの国内総代理店となりUbuntuのサポートサービスを開始したことがきっかけ。自らが使用して有用性を示すとともに、ノウハウを蓄積することが目的だ。アシストはオープンソースのオフィス・ソフト「OpenOffice.org」のサポートサービスを開始するにあたっても、2007年にMicrosoft OfficeからOpenOffice.orgに移行(関連記事)。現在もOpenOffice.orgを利用している。

 2011年7月に同社はUbuntuへの移行方針を表明(関連記事)。同月にUbuntuデスクトップ導入プロジェクトを立ち上げ、各部署の代表約50名がUbuntuデスクトップを導入した。

 メール・クライアントはWindows上で稼働する社内標準メーラーから、オープンソースのMozilla Thunderbirdへ移行した。メール・データ移行ツールを用意することで問題なく移行できたという。

 また社内で利用している複合プリンタのドライバ・ソフトが提供されていなかった。これについては、プリンタ・メーカーからの技術情報の開示とCanonicalの協力を得て、アシスト社内で開発した。

 業務で利用している営業支援システムなど、Windowsでしか動作せず、すぐにUbuntu対応が難しいアプリケーションも存在した。これらのアプリケーションについては、利用者を限定した上でアプリケーション仮想化を使用し、暫定的に対処する。

 これらの対策により移行のメドがたったことして、2012年4月に中日本支社、5月から6月上旬にかけて西日本支社のパソコンにUbuntuを導入した。東京の本社は6月末までに展開。7月末までに全社導入を完了する予定だ。