写真1●大槌町 復興局 情報化推進室 主任主査 長瀬和則氏
写真1●大槌町 復興局 情報化推進室 主任主査 長瀬和則氏
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●大槌Ruby教室の講師陣が参加した、まちづくり三鷹の「中高生Rubyプログラミング講師養成講座」
写真2●大槌Ruby教室の講師陣が参加した、まちづくり三鷹の「中高生Rubyプログラミング講師養成講座」
[画像のクリックで拡大表示]

 東日本大震災の被災地である岩手県大槌町で、町内の中学生と高校生を対象にしたRubyプログラミング教室が、2012年8月2日からの4日間、開催される。Rubyの作者であるまつもとゆきひろ氏も初日に参加し、生徒たちにスピーチする。大槌町はホームページにRuby製コンテンツ管理システム(CMS)であるJoruri CMSを採用している(関連記事)。

 Ruby教室を開催するのは、大槌町職員、まちづくり三鷹、インターネットイニシアティブ(IIJ)などが結成した「大槌町Ruby実行委員会」。大槌町 復興局 情報化推進室 主任主査 長瀬和則氏(写真1)は、震災後、東京のIT企業から同町に転職した技術者で、Rubyによるシステム開発経験も持つ。まちづくり三鷹は三鷹市が出資する第3セクターで、中高生向けRubyプログラミング教室(関連記事)や、中高生Rubyプログラミングコンテスト(関連記事)を実施している。大槌のRuby教室もまちづくり三鷹のテキストを使用する。IIJはクラウドサービス「IIJ GIO」やRubyのPaaSサービス「MOGOK」を運営していることから、復興支援として大槌町のホームページ構築やそのためのクラウドサービスを提供している(関連記事)。

 大槌町の長瀬氏は「プログラミング教室を、ITによる復興につなげたい」と語る。「子供たちにプログラミングを学んでもらうことで、将来、大槌町を、IT技術者を輩出するソフトウエア生産基地にしたい」(長瀬氏)。

 講師を務めるのはまちづくり三鷹の職員と、大槌町職員の長瀬氏、IIJの技術者、岩手県立大学の教員や学生など。講師陣は2012年6月17日、まちづくり三鷹で行われた「中高生Rubyプログラミング講師養成講座」に参加した(写真2)。講師陣はいずれもRubyプログラミングの経験者だが、講座で中高生に理解してもらうためのわかりやすい教え方や、テキストの進め方などを学んだ。

 Ruby教室の詳細や、申し込み方法は大槌町のホームページに掲載している。大槌町では「今回は第一回で、今後も継続的にプロラミング教室を開催する。今回は全国からから多くの応援をいただいたが、将来は地元の力だけで運営できるようにもしていきたい」(長瀬氏)としている。