写真●CISIS2012で講演する神田文男NTTデータチャイナ総裁
写真●CISIS2012で講演する神田文男NTTデータチャイナ総裁
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 中国・大連で開催されている中国最大規模のソフトウエア関連業界展示会「中国国際ソフトウエア・情報サービス交易会」(CISIS)で2012年6月15日、NTTデータチャイナ総裁の神田文男氏(写真)は、R&Dの方向性について、「ビッグデータをリアルタイムで分析しながら活用することと、IT活用によるコミュニケーションの制約の解消が将来有望だ」と指摘した。このうちビックデータでは、同社の橋梁監視ソリューションである「BRIMOS」を例に、中国国内でも実証実験を行っていることを明らかにした。

 BRIMOSは、橋梁に設置した各種センサーによって、橋の状態をリアルタイム監視するモニタリングシステム。災害時の異常検知だけでなく、平常時でも早期に異常を把握できるという。

 また車両の通行状況を解析して、点検・補修の優先度検討などを支援する。日本国内では既に都内の高速道路にセンサーを埋め込んで、従来は処理できなかった膨大なデータをモニタリングして劣化度合いなどの把握に役立てているという。

 中国・江蘇省ではトラック重量を測定して規制違反がすぐに分かるシステムの実証実験を実施。北京市でも新交通システムとして、1万2000台の自動車に取り付けたセンサー情報を分析して、エコ運転や渋滞を避けるルートなどの情報を車両にフィードバックする仕組みの実証実験を始めたという。

 また現在は売り上げのうち、9割は日本向け事業で、中国国内向けのITサービスは1割にとどまっているとし、中国企業との連携を深めて中国社会に貢献したいと語った。