写真1●無線LAN親機のWZR-D1100H
写真1●無線LAN親機のWZR-D1100H
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写真2●無線LAN子機のWLI-H4-D600。LANインタフェースを備える
写真2●無線LAN子機のWLI-H4-D600。LANインタフェースを備える
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 バッファローは2012年6月15日、IEEE 802.11ac技術を搭載した無線LAN製品「WZR-D1100H」(写真1)を発表した。理論上の最大通信速度は600Mビット/秒(5GHz帯利用時のスループット)。対応する無線LAN規格は11a/b/g/nで、2.4GHz帯と5GHz帯を同時に利用できる。

 IEEE 802.11acは仕様上の最大通信速度が約7Gビット/秒の無線LAN規格で、現在は標準化作業の段階にある。周波数帯は5GHz帯のみを利用する。高速化に当たっては、(1)複数のアンテナで同時にデータを送るMIMO(Multiple Input Multiple Output)を最大8ストリームに拡張、(2)周波数帯域幅を80MHz幅、160MHz幅に拡張、(3)変調方式で一度に8ビットの情報を伝送できる256QAMを採用――といった仕様を盛り込む予定だ。

 今回バッファローが発表した製品は、11ac技術として(3)の256QAMを実装した。256QAMは11nで利用できる64QAMに比べると、一度に約1.3倍の情報量を伝送できる。これにより、11n通信時の最大450Mビット/秒を約1.3倍の最大600Mビット/秒に高速化した。ちなみに同社は、11acドラフト対応の製品を既に米国で販売している。その製品は(2)の周波数幅の拡張で80MHz幅を利用できるため、最大1.3Gビット/秒の通信が可能だ。国内向け製品では、電波法施行規則などの改正が必要なため、現時点では80MHz幅や160MHz幅への拡張は実装できない。

 WZR-D1100Hは親機で価格は1万7800円(以下すべて税別)。最大600Mビット/秒で通信するには、1万6800円の子機「WLI-H4-D600」(写真2)も購入する必要がある。このほか、親機と子機のセットモデル「WZR-D1100H/E」(3万1700円)を用意している。親機、子機ともにギガビットイーサネットのLANポートを備える。親機はスマートフォンやタブレット端末からの初期設定が可能な簡単接続機能「AOSS2」を搭載する。これらの製品は、2012年7月上旬から順次出荷する。