図1●世界におけるタブレット出荷台数のOS別シェア(米IDC調査)。太字は総出荷台数(単位は100万台)
図1●世界におけるタブレット出荷台数のOS別シェア(米IDC調査)。太字は総出荷台数(単位は100万台)
[画像のクリックで拡大表示]

 市場調査会社の米IDCは現地時間2012年6月14日、同年におけるタブレット端末の世界出荷台数予測を従来の1億610万台から1億740万台に上方修正した。同様に2013年の予想をこれまでの1億3740万台から1億4280万台に引き上げ、2016年には2億2210万台に達すると見込んでいる。

 2012年の出荷台数シェアをOS別に見ると、米Appleの「iOS」が前年の58.2%から62.5%に拡大する見通し。これに対して米Googleの「Android」は同38.7%から36.5%に低下し、カナダResearch In Motion(RIM)の「BlackBerry」も同1.7%から1%に低下するとIDCは見ている。

 IDCのリサーチディレクター Tom Mainelli氏は、「iPadは3月に第3世代の新製品が登場して以来、販売が減速する兆候がほとんど見られない」と説明。「高解像度のRetinaディスプレイ、高速LTE回線への対応が奏功し、既存ユーザーに買い替えを促した。前モデルのiPad 2を399ドルに値下げして販売していることの効果も表れている。Appleがうわさ通り300ドルを切る7インチモデルを出せば同社の市場支配はさらに強まる」と述べている。

 今後はWindows RT端末や、低価格の普及機が登場し、消費者の注目を集めるという。ただしIDCは「Windowsタブレットは市場全体の出荷台数を押し上げる効果はあるが、必ずしもiPadやAndroidのシェアを奪うわけではない」としている。

 併せてIDCは電子書籍端末の出荷台数予想を下方修正した。第1四半期の出荷台数が期待外れだったこと、低価格タブレット端末が電子書籍端末の需要に大きな影響を与えていることを考慮し、2012年は前年の2820万台から約2800万台へと横ばいで推移すると予測する(関連記事:2012年Q1の世界タブレット出荷台数、iPadのシェア拡大、Kindle Fireは大幅減)。

[発表資料へ]