写真1●アイダックスがデモ展示している10GイーサネットLANアダプタ「Nallatech PCIeボード」シリーズ。写真手前のボードがそれで、XFPポートを1ポート搭載した「PCIe-180」というモデル
写真1●アイダックスがデモ展示している10GイーサネットLANアダプタ「Nallatech PCIeボード」シリーズ。写真手前のボードがそれで、XFPポートを1ポート搭載した「PCIe-180」というモデル
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写真2●ブース内でのデモの様子。Linuxマシンを用意して、Wireshark(パケットキャプチャソフト)などのアプリケーションでパケットにフィルターをかけた場合、LANアダプタ内での処理よりもスループットが大幅に落ちる様子を見せていた
写真2●ブース内でのデモの様子。Linuxマシンを用意して、Wireshark(パケットキャプチャソフト)などのアプリケーションでパケットにフィルターをかけた場合、LANアダプタ内での処理よりもスループットが大幅に落ちる様子を見せていた
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 アイダックスは、2012年6月13~15日に千葉・幕張メッセで開催されているICT関連展示会「Interop Tokyo 2012」のベンチャーパビリオン内にある同社ブースにおいて、ユーザーが自由にロジックを組み込むことが可能な10Gビットイーサネット(10GbE)対応LANアダプタ「Nallatech PCIeボード」シリーズをデモ展示している(写真1)。

 同シリーズのLANアダプタは、基板上にFPGA(Field Programmable Gate Array)を搭載しており、ユーザーが自由にアプリケーション(ロジック)を組み込めるようになっている。例えば、セキュリティ対策目的でパケットフィルターを組み込み、パソコンのネットワークスタックやアプリケーションを一切介さずに不審なパケットを破棄するといった処理をLANアダプタ単独で実行できるという。

 10GbEクラスの速度になると、ワイヤースピードでパケット(MACフレーム)を受信する場合、最大で1488万個ものパケットを毎秒処理する必要がある(最小サイズである64バイトパケットの場合)。このため、一般的なパソコンOS(ネットワークスタック)およびネットワークアプリケーションを使ってフィルタリングなどを実施しようとすると、処理が追いつかず、スループットが大幅に低下してしまう可能性が高い(写真2)。

 これに対して、OSを介さずにパケットを処理するNallatech PCIeボードでは、10GbEのワイヤースピードを保ったまま、ユーザーが望み通りにパケットをアダプタ内で処理できる。アイダックスによれば、前述したセキュリティ目的のほか、例えばビデオ配信サーバーやパケットキャプチャ機器、ネットワークストレージなどでの利用も想定しているという。