写真●IPv4アドレス枯渇対応タスクフォースの展示ブースの様子
写真●IPv4アドレス枯渇対応タスクフォースの展示ブースの様子
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 IPv4アドレス枯渇対応タスクフォース(枯渇対応TF)は、2012年6月13日~15日に開催している「Interop Tokyo 2012」にブースを出展している。このブースでは、IPv4アドレス枯渇やIPv6対応に関連した1コマ20分程度の講演を多数設けている(写真)。

ケーブルインターネットでのIPv6対応動向を解説

 14日の16時30分からは、アリス・グループ・ジャパンの友松和彦氏が「ケーブルインターネットのIPv6対応」というテーマで講演した。友松氏は、ケーブルインターネットの基礎と米国のIPv6対応事例に触れたあと、国内におけるケーブルインターネットのIPv6対応に向けた取り組みを紹介した。

 その講演によると現在、枯渇対応TFでは、ハンズオンセミナーの開催や、枯渇対応TFのテストベッドを用いた共同検証を実施。日本ケーブルラボでは「IPv6対応ケーブルインターネットアクセス技術仕様ガイドライン」の第2版を作成中で、9月に完成予定だという。

 さらに国内ケーブル事業者では、センター側の装置であるCMTS(Cable Modem Termination System)までIPv6対応が完了、ユーザー宅のケーブルモデムの設定ファイルでIPv6対応を“止めて”いて「何をトリガーにして、どの順番で止めているのを開けていくか」と検討する段階まで来ている企業が複数あるという。

IPv4 over IPv6技術の最新動向を解説

 17時からは追加講演として、日本インターネットエクスチェンジ(JPIX)の石田慶樹氏が「IPv4 over IPv6技術の最新動向と標準化」を解説した。IPv4 over IPv6技術は、孤立しているIPv4ネットワーク同士をIPv6ネットワーク経由で橋渡しするために使うもので、IPv4/IPv6を共存させる仕組みの一つである。

 石田氏はIPv4 over IPv6技術の必要性に続けて、標準化の最新動向を解説した。IPv4 over IPv6技術とIPv6 over IPv4技術を合わせると、かなりの種類の技術がIETFに提案されているが、IPv4 over IPv6技術に関してはトランスレート技術の「464XLAT」と「MAP-T」、トンネリング技術の「DS-LITE」と「MAP-E」の4つに収める動きが進んでいるという。

 石田氏はそれぞれについて、特徴と実装しているネットワーク装置を紹介した。そして同講演の最後に、同社が実験中の「IPv6v4エクスチェンジサービス」を解説した。このサービスは、IPv6の接続性があるユーザーがIPv4を使えるようにするためのもので、464XLATを採用している。ユーザーに割り当てたプライベートIPv4アドレスを宅内装置でIPv6に変換。センター側でグローバルIPv4アドレスに変換するというものである。

 464XLATは、ユーザー宅側でのアドレス変換はプロバイダーが管理、センター側でのアドレス変換はJPIXが管理できるという“疎な関係”の部分が、このサービスに向くという。IPv6v4エクスチェンジサービスは、JPIXのブースなどで展示を見られる。

15日もIPv6関連で三つの追加講演を予定

 枯渇対応TFのブースでは、6月15日も追加講演を設ける予定。追加分は、12時30分~50分の「IPv6ソリューションのご紹介」、13時30分~50分の「IPv6導入へのストラテジー」、14時30分~50分の「企業ネットワークへのIPv6導入の是非」の三つを予定している。