図●Cisco ONEのコンセプト。上位のアプリケーションから、全階層にわたってネットワークのプログラマビリティーを実現し、その機能をフル活用する。レイヤー2~3に当たる部分にはOpenFlow/SDNを使う
図●Cisco ONEのコンセプト。上位のアプリケーションから、全階層にわたってネットワークのプログラマビリティーを実現し、その機能をフル活用する。レイヤー2~3に当たる部分にはOpenFlow/SDNを使う
[画像のクリックで拡大表示]

 米シスコシステムズは現地時間2012年6月13日、ネットワーク機能をフル活用するためにプログラマブルな手段をアプリケーションに提供する新戦略「Cisco Open Network Environment」(Cisco ONE)を発表した。その一環として、実証用のコントローラーとOpenFlowスイッチ用エージェントを提供していく。

 この戦略の主眼は、アプリケーションに合わせてネットワークインフラを柔軟にカスタマイズできるようにすること。これにより、サービス提供の迅速化、リソースの最適化、新サービスによる早期のマネタイズを実現しやすくする()。

 Cisco ONEは複数の手段によって実現される。具体的には、新API「One Platform Kit」(onePK)、OpenFlow/SDN対応、オーバーレイネットワークの三つを挙げている。

 onePKは、同社のネットワーク機器向けOSであるIOS、IOS-XR、NX-OS向けのAPIと、包括的な開発キットで構成される。

 OpenFlow/SDN対応については、実証用のSDNコントローラーを提供していく。また、こちらも実証用のOpenFlowスイッチとして、同社のスイッチ製品であるCatalyst 3750-X/3560-X向けにOpenFlow v1.0に対応したエージェントを提供する。

 オーバーレイネットワークについては、同社の仮想スイッチ製品「Nexus 1000V」を中心に展開していく。具体的には、(1)オープンソース系のハイパーバイザーのサポート、(2)VXLANベースのオーバーレイネットワークと既存のVLANベース物理ネットワークをつなぐゲートウエイの提供、(3)VXLANベースオーバーレイネットワーク上の仮想サービスと接続するためのvPath技術の拡張、(4)OpenStackのサポート(QuantumプラグインとREST APIの提供)――を同社は挙げている。

 2012年第4四半期に、ベータトライアルを含め段階的に提供していくとしている。

[発表資料へ]