写真1●ヤマハが参考出展している企業向け無線LANアクセスポイント「X11」(仮称)
写真1●ヤマハが参考出展している企業向け無線LANアクセスポイント「X11」(仮称)
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写真2●APの無線通信状態をきめ細かく可視化できる
写真2●APの無線通信状態をきめ細かく可視化できる
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写真3●全ポートGbE対応のファイアウォール新製品「X12」(仮称)
写真3●全ポートGbE対応のファイアウォール新製品「X12」(仮称)
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 2012年6月12日から15日まで、ICT関連の総合イベント「Interop Tokyo 2012」が幕張メッセで開催されている(展示会は13日から15日までの3日間)。会場内のヤマハ/SCSKブースでは、ヤマハが未発売の企業向け無線LANアクセスポイント(AP)とファイアウォールを参考出展し、来場客の注目を集めている。

 「X11」(仮称)と名付けられた無線LAN AP(写真1)は、企業ユーザーが無線LANを管理するうえで役に立つ「無線通信状態の可視化」に対応しているのが特徴。周囲にある無線LAN APの利用状況(利用チャネルや電波強度など)を一覧表示したり、フレームの壊れ具合(CRCエラー率)から通信状態を把握したり、スループットからトラフィック状態をチェックしたりできるようになっている(写真2)。新たに設置したAPのセキュリティ強度をレーダーチャート形式で確認することなども可能だ。

 無線LAN規格はIEEE802.11a/b/g/nに対応し、11n利用時の最大スループットは300Mビット/秒(規格値)となっている。企業向け製品として、IEEE802.1X認証や最大16個のマルチSSID機能などもサポート。本体付属のACアダプターに加え、PoE(Power over Ethernet)による受電にも対応する。ヤマハによれば、X11の発売に合わせて小型のPoE給電対応L2スイッチを発売する予定だという。

 X11の発売日および価格は未定だが、「年度内に10万円を切る価格で発売したいと考えている」(ヤマハの平野尚志・サウンドネットワーク事業部 技術開発部 企画・知財グループ 企画担当課長)と同社ブースでは説明していた。

同社製L2スイッチと連携した通信遮断なども可能

 「X12」(仮称)は、搭載する5ポート(WANポート×1、LANポート×4)がすべてギガビットイーサネットに対応したファイアウォール新製品(写真3)。同社が2007年4月に発売した全ポート100Mイーサネット対応のファイアウォールルーター「SRT100」の後継機となる。「ファイアウォールであることが一目で分かるデザインにした」(ヤマハ)というように、真っ赤なきょう体にカーボンファイバー柄の前面パネルを採用、同社の従来製品とは明らかに異なる目を引くデザインとなっている。

 ファイアウォール製品というと「ネットワークの境界部分を守るもの」というイメージがあるが、「X12はLANの中のコントロールもできるようにしている点が特徴」(ヤマハの平野課長)。例えば、同社製のL2スイッチSWX2200シリーズなどと連携し、使用を禁止している特定アプリの通信を検知したら、LANスイッチのポートを自動でシャットダウンさせるといった制御を検疫システムなどを導入することなく実現できるという。

 前面にUSBポートとmicroSDカードスロットを備えており、USB接続型の通信アダプタを接続したり、設定情報をmicroSDカードから流し込んだりすることが可能。microSDカードはログを保存する目的でも使えるほか、将来的には迷惑メール対策機能を同機に搭載することを考えており、その際にフィルタリング用データベースを格納するといった用途も想定しているという。

 X12も発売時期や価格は未定となっているが、ヤマハの平野課長によれば、X11と同じく年度内に発売する方向で動いており、価格もSRT100と同等(SRT100のカタログベースの価格は8万1900円)になる見込みだとしている。