写真1●AGRA財務サプライチェーンのモデル定義画面
写真1●AGRA財務サプライチェーンのモデル定義画面
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 アグラは2012年6月14日、情報システムの生データを分かりやすく整理するというアプローチによって質の高いデータマートを構築できるようにするミドルウエアである「AGRA」の新製品として、財務視点で業務データを分析できるようにするモジュール「AGRA財務サプライチェーン」(写真1)を発表した。2012年7月1日に出荷する。

 AGRAは、ERP(統合業務ソフト)などの基幹系データベースの生データから、BI(ビジネスインテリジェンス)ソフトで分析するためのデータ分析用データベース(データマート)を構築するための、データ変換/加工サーバーソフトである。単なるETL(抽出/変換/登録)とは異なり、データ構造(モデル)とのマッピング情報を持つことによって質を高めたデータマートを構築できる。

 扱うデータの種類に応じて、データのモデルを作成/定義し、このモデルに対して実データの項目をマッピングして利用する。これにより、データの意味付けや、データ同士の関係などの、データについての属性データを含んだデータマートを構築できる。これにより、BIソフトによるデータ分析の質が向上する。

 AGRAは、データソースとして、各種のRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)を利用できる。一方、AGRAのアウトプットは、CSV(カンマ区切り)テキストである。データマートの実態となるRDBMS側で、AGRAが出力したCSVデータを取り込むかたちとなる。こうしてデータを取り込んだデータマートに対し、BIソフトからアクセスする。

 今回、AGRAで利用できるデータモデルの一つとして、財務の視点で会計データを分析するためのデータモデル「AGRA財務サプライチェーン」を用意した。これを使えば、財務分析の用途では、ユーザーみずからデータモデルを設計/定義する必要がなくなる。モデルに対してデータ項目をマッピングするだけで利用できる。

 価格(税別)は、ユーザー数8人およびデータ項目数500個の最小構成で、AGRA単体が300万円、AGRA財務サプライチェーン(AGRA単体を含む)が500万円。稼働環境として、Javaアプリケーションサーバー(Servlet実行環境)が必要。モデル編集/マッピングツールの稼働OSは、Windows。接続可能なデータソースは、Oracle Database、SQL Server、MySQL、Netezzaなど。

 なお、アグラは、AGRAのライセンス販売に加え、2012年3月からはSI事業(AGRAの導入コンサルティングサービス)も提供している。SIに携わるエンジニアは2012年6月時点で5人だが、今後人員を増やすとしている。案件の規模は、典型的なもので、設計/導入期間3カ月で1000万円程度から。