エージーテックは2012年6月12日、リレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)である「Pervasive PSQL v11」の新エディションとして、仮想サーバー環境で利用しやすくした「Pervasive PSQL Vx Server 11」を出荷した。サーバーが切り替わる仮想サーバー環境に合わせて、認証方法やライセンス体系などを変更した。

 Pervasive PSQLは、Windows(x86)およびLinux(x86)上で稼働するRDBMSである。組み込み用途などに向く。Novell NetWareの標準DBMS「Btrieve」を源流としており、ODBC経由のSQLクエリーに加え、ISAMトランザクション処理が可能なBtrieve APIを介してDBアクセスできる。

 今回、新たにクラウド(仮想サーバー環境)向けのエディション「Vx」を追加した。Vxでは、仮想サーバー環境に適したライセンス体系と機能を採用した。これに対して、既存のエディションは、最大5ユーザーまでの「Workgroup」と、ユーザーの上限がない「Server」の既存のエディションがあった。

 ライセンス体系は、これまでのユーザー数ライセンスから、データ容量ライセンスに変更した。例えば、既存のServerエディションの価格(以下、税別)は、最小構成10ユーザーで19万8000円だった。これに対してVxでは、データ容量5Gバイト(同時25セッション)の「Small」が39万円、20Gバイト(同時100セッション)の「Medium」が99万円、50Gバイト(同時250セッション)の「Large」が239万円、データ量無制限(同時セッション無制限)の「SuperSize」が429万円、である。

 DBMSが動作するサーバー機が別のサーバーに切り替わる、というクラウド環境の特性に合わせ、ライセンスの認証手段も変更した。以前は、ホスト名、MACアドレス、メモリー、ハードディスク、CPU、OSなど複数のサーバー要素で認証していた。Vxではこれを改め、仮想サーバーのホスト名とMACアドレスだけで認証するようにした。さらに、HA(高可用性)構成の場合でも、1台分のライセンスだけで済むようにした。既存のエディションでHA構成をとる場合は、複数のライセンスが必要だった。

 そもそもVxでは、DBMSのインスタンスを別の物理サーバー機へと移動させるライブマイグレーションが容易になった。既存のエディションでライブマイグレーション機能を使うのは難しかったという。