NTTドコモは2012年6月11日、タワーレコードの株式を追加取得し、子会社化すると発表した。同社は2005年にタワーレコードと資本提携済み(関連記事)。これまではタワーレコード店舗における「おサイフケータイ」の活用や音楽情報の配信などにおける協業が中心だったが、CD/DVDの物販まで対象を広げる。

 ドコモのタワーレコードへの出資比率は現在42.1%。7月中旬に既存株主のドワンゴからタワーレコード株を譲り受け、出資比率を50.3%に高める。取得価格は非公表。ドコモはタワーレコードを子会社化することで同社の売上高(2011年度実績で約560億円)を取り込めるほか、CD/DVDの販売に事業を広げられる。ドコモは現在、スマートフォン向けコンテンツサービス「dマーケット」で音楽や映像、書籍の配信を手がけるが、今後は物販も強化していく方針。デジタルコンテンツの提供だけでなく、オンライン通販の品ぞろえも拡充して「dマーケット」全体の魅力強化につなげる。

 ドコモは2011年11月に公表した「中期ビジョン2015」で、モバイルを活用した新たな価値や市場の創出に向け、メディア・コンテンツ、金融・決済、メディカル・ヘルスケアなど8分野で戦略提携を強化していく方針を掲げる。今回の追加出資は「コマース事業」強化が狙い。同分野では2009年にテレビ通販の「オークローンマーケティング」、2012年には食品宅配の「らでぃっしゅぼーや」をそれぞれ子会社化している。