写真1●All-in-one VDI Boxの外観(PCサーバーとしてIBM System x3650 M3を採用)
写真1●All-in-one VDI Boxの外観(PCサーバーとしてIBM System x3650 M3を採用)
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 エム・ピー・テクノロジーズは2012年6月11日、社員数十人規模からの中小企業に向けて、仮想デスクトップ環境(VDI)に必要なシステム一式をパッケージ化した製品「All-in-one VDI Box」(写真1)を出荷した。システム構成を簡素化することで、導入と運用を容易にしている。想定する導入期間は2週間としている。

 VDIを実現するミドルウエアには、米Citrix Systemsの「Citrix VDI-in-a-Box」を使う(同製品は、仮想アプライアンスの形をとっている)。これを、米IBMの2Uラックマウント型PCサーバー機「IBM System x3650 M3」に導入して提供する。サーバー仮想化ソフトは、米Citrix Systemsの「Citrix XenServer Advanced Edition」を使う。

 Active Directory(AD)機能の有無に応じて、二つのモデルを用意した。(1)「アドバンスモデル」は、AD機能を含まないモデルで、PCサーバー1台で50ユーザーを収容する。(2)「スタンダードモデル」は、AD機能(Windows Server 2008を導入した仮想サーバー1台)を含んだモデルで、PCサーバー1台で30ユーザーを収容する。

 価格(税別)は、以下の通り。ADを含まないアドバンスモデルは、同時接続50ユーザーで399万円(1ユーザー当たり7万9800円)。ADを含んだスタンダードモデルは、同時接続30ユーザーで390万円(1ユーザー当たり12万8300円)。なお、Windows VDAライセンス(個々のデスクトップ機の上で動作させるWindows OSのライセンス)などは含まない。

中小企業向けの簡易VDI製品をオールインワンパック化

 前提となるCitrix VDI-in-a-Boxは、VDI製品である。仮想マシンの形態で実現したデスクトップPCをサーバー仮想化ソフトの上で動作させ、これをシンクライアント(画面情報端末)を介して操作できるようにする。最大の特徴は、中小企業の需要に合わせてシステム構成を簡略化していること。一般的なVDIソフトとは異なり、VDIに必要な機能のすべてを1台のPCサーバーで提供できるようにしている。

 シトリックス・システムズ・ジャパンによるCitrix VDI-in-a-Boxの販売価格はオープン。販売店の各社が、仮想アプライアンスの形態そのままか、あるいはハードウエア(PCサーバー)と組み合わせたパッケージ製品として提供している。今回のエム・ピー・テクノロジーズのケースは、ハードウエアのPCサーバーと組み合わせた例の一つ。同様の例としては、日商エレクトロニクスがハードウエア一体型のパッケージ(日本ヒューレット・パッカードのPCサーバーを利用)を販売している。