台湾アスーステック・コンピューターのWindows RT端末「ASUS Tablet 600」
台湾アスーステック・コンピューターのWindows RT端末「ASUS Tablet 600」
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Windows 8のタブレット機「ASUS Tablet 810」
Windows 8のタブレット機「ASUS Tablet 810」
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インテルのブースでデモをしていたAtom搭載タブレット
インテルのブースでデモをしていたAtom搭載タブレット
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 COMPUTEX TAIPEI 2012の会場では、Windows 8をインストールした薄型のUltrabookやタブレット端末を多数見ることができた。一方で、ARM系CPUを搭載しWindows RTを組み込んだタブレット端末も存在感を出している。近い将来、米インテルなどのx86系CPUのWindows 8端末と、ARM系CPUのWindows RT端末が市場内で混在する時代へと突入していく。COMPUTEX会場における2種類の端末のにらみ合いは、今後本格化するインテルとARM系CPU陣営の激しい競争を示唆しているといえそうだ。

 台湾アスーステック・コンピューターはWindows RT端末「ASUS Tablet 600」を同社ブース内で展示している。液晶画面は10.1型のタッチパネル。液晶画面とキーボード部分は取り外しができる仕組みとなっている。搭載する統合チップは米エヌビディアの「Tegra 3」。ストレージは32GBのフラッシュメモリーで、800万画素のカメラを内蔵するほかNFC機能を搭載する。

 同社がTablet 600と同時に発表したWindows 8のタブレット機が「ASUS Tablet 810」。Tablet 600と810は兄弟機というわけだ。810はCPUに米インテルのAtomを採用している。COMPUTEX会場内では、インテルも自社のブースでATOMタブレットを紹介している。アスース製品のほか、中国レノボの「ThinkPad」ロゴを付けたAtom搭載タブレットも展示している。

 インテルは6月5日の基調講演の中で、インテルのCPUが載ったタブレット端末であれば「既存のデスクトップアプリが動く」とメリットを強調した。Windows RTは、新しいユーザーインタフェースのMetro用のアプリは動作するが、既存のWindows用アプリが動作しないからだ。これでは従来のWindowsとの互換性を重視するユーザーは満足しないだろうというわけだ。

 これに対する反論の声もある。COMPUTEX会場内で報道陣のインタビューを受けた米エヌビディアのフィリップ・J・カーマック モバイル・ビジネスユニット担当上級副社長は「Windows RT上ではOfficeが利用でき、ビジネス用途に活用できることを示している。Web、メール、Officeが使えるのであれば十分と感じる人も多いはず」「Androidでも当初はアプリが少ないといわれたが、すぐに大量のアプリが登場したので、アプリの数も心配していない」と語る。

 マイクロソフトは、COMPUTEXの基調講演で複数のMetroアプリを紹介し、斬新なインタフェースと扱いやすさをアピールした。今後、こうした便利なMetroアプリが多数登場すれば、ユーザーが製品を選ぶ上で、Windows 8とRTの差を気にしなくなるだろう。そうなったとき、消費電力の低さなどモバイル分野で培った機能面に定評のあるARM系プロセッサーが有利になる可能性もありそうだ。