写真1●EMC VMAX 40Kの外観
写真1●EMC VMAX 40Kの外観
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 EMCジャパンは2012年6月8日、容量と性能を従来モデルの2倍に高めたハイエンドストレージの新モデル「EMC Symmetrix VMAX 40K」(写真1)を出荷した。最大容量は4ペタバイトになる。価格は、同一構成の場合、従来のハイエンドモデル「VMAX」よりも15~20%ほど高くなる。価格帯は、最小でも数千万円クラスである。

 ハイエンドモデルの追加に合わせて、既存の二つのモデルの名称を変更した。「VMAX」を「VMAX 20K」に、「VMAXe」を「VMAX 10K」に変更した。性能と容量は、それぞれ下位モデルの2倍に当たる。VMAX 10K(最大容量は1ペタバイト)の性能と容量を2倍に高めたのがVMAX 20Kで、VMAX 20K(最大容量は2ペタバイト)の性能と容量を2倍に高めたのがVMAX 40Kである。

 VMAX 40Kでは、実装密度も高めた。従来の3.5インチドライブに加えて、新たに2.5インチドライブを使えるようにした。最大構成時で比較すると、3.5インチ×2400ドライブ(4ペタバイト)を2.5インチ×3200ドライブ(2.8ペタバイト)にすることで、ドライブ数は33%増えるものの、設置領域は33%減り、総重量は35%減り、消費電力は27%減る。

 ソフトウエア機能も高めた。例えば、富士通のメインフレームのストレージとして使う際に、富士通のCKD/EXプロトコルを利用できるようにした。また、米IBMのメインフレームとオフコンから使う際に、オープンシステムと同様に、ストレージ自動階層化機能「FAST VP」を利用できるようにした(富士通のメインフレームの場合、IBM3390ディスクを利用できないため、同機能は使えない)。

2012年の出荷スケジュールを公表

 EMCジャパンはまた、2012年内の、VMAX 40K以外の製品群の出荷スケジュールを公表した。

 6月8日には、広域に分散した異機種/複数のFCストレージを単一イメージに束ねる「VPLEX」の新版を出荷。6月中旬には、スケールアウト型NASストレージの新ノード「Isilon X400」「Isilon NL400」を出荷。Isilon関連では、Isilonをミッションクリティカル業務で使えるようにする機能拡張を施したOS「OneFS Mavericks」を2012年後半に出荷する。

 7月中旬には、バックアップ用途の重複排除NASストレージのハイエンドモデル「DD990」と、重複排除バックアップソフトの新版「Avamar 6.1」を出荷する。また、サーバー機やネットワーク機器などとのセット製品「VSPEX」を出荷する。第3四半期中には、SAN/NAS統合ストレージの新モデル「VNX3150」を出荷する。