図 ロンドン五輪のパブリックビューイングの会場
図 ロンドン五輪のパブリックビューイングの会場
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 日本放送協会(NHK)の松本正之会長は2012年6月7日の会見で、ロンドンオリンピックのデータ放送とインターネット展開について報告した。

 テレビ放送の完全デジタル化後の初めてのオリンピックであることから、「通信との連携機能を生かして、これまで以上に多彩なサービスを展開する」という。データ放送は大会期間中、トップ画面を「オリンピックバージョン」に変更する。現地から公式の競技データをオンラインで入手し、26競技302種目すべての途中経過と結果をほぼリアルタイムで提供する。競技の速報を随時画面の下に掲載して、放送していない競技の結果なども視聴者が把握できるようにする。2012年7月25日の放送開始を予定する。

 テレビをインターネットに接続している世帯では、その日だけでなく大会期間中すべての競技結果を見ることができるようにする。さらに「アクトビラビデオ・フル」対応のテレビに向けて、ハイビジョン動画の提供を予定する。競技のハイライトや注目の日本人選手の活躍などをダイジェストで伝える。

 パソコン向けにはオリンピックサイトを開設し、競技結果や見どころ、選手のプロフィールなどのコンテンツを掲載する。競技のライブストリーミング(認可申請中)の配信も予定する。このほかに、日本選手や世界のトップアスリートの活躍を集めた「動画集」を提供する。「夏の大会では初めて、中継映像を独自に編集する」という。さらにこのサイトをより使いやすくするため、お気に入り機能を追加し、好きな競技や選手の動画などにすぐにアクセスできるようにした。オリンピックサイトは2012年6月20日に一部オープンする。本格オープンは7月24日を予定する。

 スマートフォンでは、動画も含めパソコンのサイトと同様の内容を専用の画面レイアウトで提供する。「ロンドンは日本との時差が8時間あるので、こうした端末などを活用し、生活時間にあわせてオリンピックをより楽しんでいただきたい」としている。

 携帯電話機向けには、情報をよりコンパクトにして、警戒な動作で見ることができるように工夫した。コンテンツは関連ニュースや放送予定、応援メッセージなどを中心とする。動画の提供は予定していない。

 NHKは同日に、スーパーハイビジョンによるロンドンオリンピックのパブリックビューイングの会場が決定したことも発表した。渋谷のNHK放送センターのスタジオパークとふれあいホール、秋葉原のベルサール秋葉原、NHK福島放送局で実施する(図)。

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